愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

「ジャニヲタだから結婚できない」は正しいのか?

知念様の愚民として再び生きていくことを決めた訳ですが、その前に御報告があります。


去年、結婚いたしました。
全くおたくではない普通の人と結婚して、結婚式もジャニヲタ要素は一切ないありきたりなものを挙げました。私の結婚にはジャニヲタとしてネタになるような面白いことは何もありません。私だって可能ならウルトラミュージックパワーで入場して、リアルデラックスでケーキ入刀して、ラブスパイラルで終わるような結婚式をやりたかったですよ!でも、できませんでした。

別に「私はこうしたから結婚できた」とか偉そうに語りたい訳ではないです。妙齢のジャニヲタなら一度は「ジャニーズが好きだから結婚できない」という意味合いのことを周囲の人に言われたことがあると思います。
私も母に「あんた、ジャニーズ見てる暇があれば婚活しなさい」と1回どころかかるーく1000回は言われて、「コン活(コンサート活動)ならしてるもーん」と答えては呆れられ、「ジャニーズなんて好きだから結婚できないのよ」と嘆かれていました。
この、「ジャニヲタだから結婚できない」という言葉が正しいのかについて、ここ数年ずっと考えていました。


ジャニヲタだから結婚できない。
これは正しくもあり間違ってもいると思います。


たぶん非ヲタの人がジャニヲタに「ユーはジャニヲタだから結婚できないんだよ」と言うとき、その裏側に「ジャニーズが好きなんて理想が高いから結婚できないんだよ」という意味合いが込められていると思うんですが、「ジャニーズの◯◯くんみたいな人と結婚したい~~」なんて脳内お花畑な人は10代20代ならまだしも、大人のジャニヲタにはほとんどいません。大体のジャニヲタは年を重ねるにつれ、対象を「尊い……」と崇拝するようになったり、「なんでこんなに可愛いのかよ~」と孫のようにひたすら愛でるようになったり、もはや見すぎてプロデューサー目線になったりと、あまり自分と同じ次元軸の存在だと思わなくなっていくような気がします。

それと、「ジャニヲタ=見た目がやばい」と思って、その発言をしている人もいるかもしれませんが、私はジャニヲタは外に出ないといけない種類のおたくなので、むしろ見た目には気を遣ってる人の方が多いと思います。コンサートに向けて服を買ったり、美容院に行ったりする人もたくさんいるでしょう。男性のドルヲタにヤバめの方が多い(それでも昔ほどひどい人は少ないと思う)ので、そのイメージがジャニヲタにもついているのかもしれません。
そういうステレオタイプ的な意味での「ジャニヲタだから結婚できない」という言葉は正しくないと思います。


でも、ジャニヲタだから結婚できないというのは正しいとも思うのです。


なぜなら、ジャニヲタは結婚するにはあまりに忙しすぎるし、楽しすぎる。


これに尽きます。


だって、土日はコンサートや舞台があるし、ない時は録画した番組や毎月発売される雑誌を消化しないといけないし、写真が発売されたらジャニショに行かないといけないし、ツイートしたりブログ書いたりするのにも忙しい。そんな合間におたくとご飯を食べておたく談義をする時間も大事です。
もう、この生活にジャニーズ以外の男が入り込む時間も気力も金もないんです。しかも、どれもものすごく楽しい。なんで、この時間を犠牲にしてまで男と付き合って結婚しないといけないのか?


じゃあお前はなんで結婚したんだ?という話なのですが、このブログにもある通り、私は数年前に気胸で2回入院しました。そこで強制的に仕事とヲタ活動を休むことになり、自分の年齢と貯金額に向き合わざるを得なくなりました。
ちょうどその頃、あれほど春夏秋冬咲き誇っていたJUMPの現場の数も減ってきていました。
2度目の気胸になった夏、知念様は私が愚民になるきっかけとなった「おおきくな~れ☆ボク!!」を改めてコンサートで歌い、その落ち着いた姿を見て「あの頃の知念様はもういない。知念様はすっかり大人になってしまわれたんだ」と思ってしまいました。更に翌年の「僕とけいと」が素晴らしすぎてKCに対する積年の思いもすっかり昇華され、「もう知念様も大人になったし、とても幸せそうだし、今までみたいに必死でコンサートに行く必要もないかもしれない。それより貯金しよ。できたら結婚しよ」という極めてまともな大人の思考回路になってしまったのです。私はもはや愚民ではなく平民でした。


たぶん知念様が今15歳だったら、私は結婚していないと思います。なんなら、あと1年早く「159」を歌っていたら、「適齢期犠牲にしたおかげで萌えを独り占め~」なんて替え歌を歌ってジャニヲタ独身生活を謳歌していた気すらします。


結局、私が結婚できた最大の理由はジャニヲタとして暇になってしまったからです。
暇だから一回くらい結婚に向けて全力でがんばってみようと思い、ご縁もあってなんとかこぎつけました。
ジャニヲタに限らずですが、おたくが対象につぎこんでるエネルギーを婚活につぎこんだら、すぐに結婚できると思うんですよね。もちろん、運や縁もあるとは思うんですけど。


結婚して良かったのかどうかはまだよく分かりません。カウコンや紅白のリピもできてないですし、一人になりたいと度々思ってしまいます。ただ、両親はじめ周囲の人に「なんで結婚しないの?」と言われなくなったのはすごく楽です。


そんな結婚するほど暇だったジャニヲタ閑散期にも何かにはハマりたくて、アニメを見たり、漫画を読んだり、他の現場にゆるーく行ったりもしていたのですが、結局私は知念様の代わりを求めていただけで、知念様の穴を埋められるのは知念様だけだったという当然の真理に平成最後の12月に辿り着きました。結婚式が終わったところで真理を教えて下さる知念様は慈悲深いですね。知念様のおかげで結婚できたようなものです。知念様、ありがとうございました。