愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

「通学列車」 

娘。さんたちの「ハッピーサマーウェディング」のカップリング曲です。この歌はちょっと女の子に対するドリームが入り過ぎていると言って敬遠する人もいるみたいですが、案外今でも女の子ってこんなものですよ。恋する乙女はいつでもこんなもんです。 
つんく♂って時々ハッとするような歌詞を書きますが、「さりげなくあなた探す 乙女心も複雑なのよ」というくだりなんてすごいと思います。この歌の視点となっている女の子って基本的にちょっと気が強い女の子なんですよ。「たまに目が合うような気がする」とか「ライバルに負けたくないわ」なんていっちゃうくらい。そんな女の子がこの部分ではちょっとだけ不安を出してしまうんですね。「複雑」なんてポロッと言ってしまうんです。気が強そうに見えるけど、やっぱり女の子。その小さな胸の中は不安で一杯なんです。うわー、甘酸っぱい!胸キュン!
本当にね、この歌には恋の甘酸っぱさが目一杯つまっている気がするんですよね。恋している時に聞きたいというよりは、昔の初恋を思い出しながら聞きたい感じ。色で言うならセピア色。「列車」「ドアー」「まもなく」なんて古くさい言葉をチョイスしているからでしょうか。これ、つんく♂は意図的にやっているんだろうなぁ。あー悔しい。悔しいけれど甘酸っぱさが心地よい。完敗です。 
辻さんが『モーニング娘。×つんく♂』の中で「MY BEST SONG」としてこの「通学列車」を挙げながら、「なんかねぇ、すごい強い歌だなぁって思う」とコメントしていたのがすごく印象的でした。この歌を「強い」と思える辻さんってとっても女の子らしい子だなぁ。それにしてもハピサマのジャケット写真の辻さんは可愛い。みんな可愛いけれど、この頃の辻さんのイノセンスっぷりはある意味反則。