愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

花火

花火なんてどうでもいいと言ったけれど、実は花火は結構好きだ。なぜなら家から見えるから。今日も家の前の道路に出て、缶ビールとコロッケを嗜みながら鑑賞した。大きな花火が上がると周りにいる人たちと一緒に拍手をしたりして、こういう感動の共有は心地よいなぁと思った。私がいるところからも十分に見られるのにわざわざ人の多いところへ移動する人もかなりいたが、人が多い方がもっと共感の振り幅が大きくなって感動が深まるからなんだろう。人がたくさんいた方が雰囲気もあるし。気持ちは分かる。私は行かないけど。


最初は祖母と一緒に見ていたが、彼女は10分ほど見て
「色男たちが田舎に行っていろいろやるやつを見る」
と言い残して帰った。たぶん「鉄腕DASH」のことであろう。うちの祖母はジャニーズが大好きだ。入れ替わりで妹がくる。花火を見て興奮し「うわっドラえもんの花火!ドラえもんドラえもん!あ、なんか変なの!キティーちゃん?いやブサイクすぎる。あんなんタマでいいや。タマ!タマ!ドラえもん!タマ!」と上がった花火の形を少ない語彙で傍若無人に実況していたが、立体的な螺旋型の花火が上がった時に
「うんこ!うんこ!うんこだよ!うんこ!うんこーーー!!」
と興奮して叫んでいたのには参った。なんでそんなに嬉しそうなんだ。昔の辻ちゃん加護ちゃんかよ…。


色とりどりの花火はとても綺麗だったが、派手な色のついていない単色のシンプルな花火が一番綺麗だと思った。