愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

少女たちの「かわいい」天皇

大塚英志さんの本。昭和天皇のことを「かわいい」という少女たちについて。

少女たちの目に一瞬、映ったのはかくも孤独な忘れられた聖老人の姿だった。それは究極の資本主義社会の中にあって自らの周りを<かわいいもの>で遮断しなければ崩れてしまう少女たちの孤独な姿ともひどく似ていた。

<かわいいもの>は少女である私を現実から守る防禦壁なのだ。

とあって、大塚さんは随分女の子という存在に夢を見ている方なんだなぁと思った。女の子はなんにでも「かわいい」という。天皇にすら言ってしまう。それはすべての物事を自分の高さにまで引きずり落とす女の子特有の傲慢さの表れだと思う。この傲慢さを繊細さと見るような人って、榎本ナリコの『センチメントの季節』を読んで素直に納得してしまう人なんだろうなぁ。今すっごい唐突にそう思った。
女の子の「かわいい」に対して、最近もっとも的確だと思った指摘。

「(女の子が)かわいいって言ってるのは、言ってる自分がかわいいと思ってんねんて」

先日の「堂本兄弟」での光一さんの言葉。光一さんって最高だなぁ。