愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

魔法戦隊マジレンジャー

Final Stage 伝説への帰還 〜マージ・マジ・マジェンド〜
マジレンジャーの最終回をとうとう見てしまった…。もう一ヶ月以上も前に放送されたものです。私は物事が終わるのがとにかく苦手で、好きな本やドラマも最後だけ見ないでほうっておくことが多くて、最近読んでいたドストエフスキーの『地下室の手記』にあった
「人間は到達を好むくせに、完全に行きついてしまうのは苦手なのだ」
という一文に猛烈に首をたてに振っていたのですが、さすがはマジレンジャー。そんなちっぽけな感傷なんてふっ飛ばしてしまうくらい勇気と愛が溢れまくっている最終回でした。特に印象的だったのは、戦いが終わってから家族全員で横一列になって海を見つめているシーンでの会話です。

「終わったんだな…」
「違うよ、父さん。いま始まったんだ」

私は終わりばかり見つめて生きてしまうセンチメンタル後ろ向きな人間なので、蒔人アニキの「いま始まったんだ」という台詞はものすごく心強かった。大学卒業(というかモラトリアムの終了)が嫌で嫌でしょうがなかった私の心に光を与えてくれた。ドストエフスキーなんて駄目人間の小説は投げ捨てて、アニキのこの言葉を指標にして生きていこうと思った。ゆくゆくはアニキに嫁いで、ブラジルで一緒に大アニキ農場を営みたいです(照)この後5人兄弟が手を繋いで、みんなで未来を作っていくことを誓うシーンは鳥肌もの。「明るい未来」を具現化した風景だと思う。最後に翼くんが「家に帰ろうぜ」って言うのもいいんだよ。普段シャイなちい兄が言うってのがいいんだよ!家があるってことは良いことだ。帰る家、ホームがあるということは幸せに繋がるんだから。はぁ、このシーン本当に素晴らしい。5回くらい見たけど、5回ともいちいち感動した。

マジレンジャーがなぜ素晴らしいのかというと、魔法の力の源が「勇気」だからだと思います。「勇気がなければ魔法が使えない」ということは、逆に言えば「勇気があれば誰でも魔法使いになれる」ということ。勇気さえ出せれば、私だって魔法使いになれるのです。子供たちに勇気の大切さをこんなに素敵な形で伝えることができる特撮って本当に素晴らしい!だって発信されるメッセージに光と希望しか満ちてないんですよ。色々なことがある世の中ですが、やっぱり子供が小さいうちはこういう「正の要素しかないもの」をたくさん与えてあげるべきだと思います。

色々な思いが溢れて30分間ずっと泣きっぱなしでしたが、1年後の魁くんには爆笑した!そ・それは想像もしてなかった!このオチ最高だよ!ユー、高校は行ってるの??魁くんも気になるけど、もっと気になるのはアフロくんと山崎さんのこと。いや、山崎さんはまだいいとして、アフロくんは絶対最後は復活すると思ってたのでちょっとショック。不満点はそれくらい。

とにかく本当に素敵な番組でした。1年間お疲れ様でした。たくさんの笑顔と勇気を分けてもらいました。これからスタッフも役者の方々もバラバラになってしまうわけですが(イナズマもクランクアップしたみたいだし)、みんなそれぞれの場で活躍できればいいなぁと思ってます。マジレンジャー最高だった!大好きだった!アニキ大好き!!
最後に芳香ちゃんの台詞を。

可能性は作るもの、作れるもの。
だったら奇跡だって起こせるよ!