愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

19歳の密かな欲望

人を生かしているのはパンかもしれないけれど、動かしているのは欲望だと思う。人間の三大欲求なんて大仰な話じゃなくて、「〜が欲しい」とか「〜がしたい」という欲望が生み出すパワーは計り知れない。いま読んでる本に「労働者が望んでいるのは完全なる無為である(つまり何もしたくない)」という意味合いの言葉があったんだけど、ここ2年くらいまさにそういう状態だった。最近818の件で、いわゆるヲタ業務に自ら積極的になったのが本当に久しぶりで(といっても実際には私は大して何もしていないんだけど)、その源となっているのが「818が見たい」という欲望のみだったから、欲望は人を動かすエネルギーだと改めて思った。人間、欲望あってこそ。欲望というと身も蓋もないけど、ようするに願いとかヲタパワーとかハートのエネルギーとか夢見ることをやめない僕らの中のドリーミンブラッドとか、そういうもの。エイトの超名曲「エネルギー」だって、「君に会うこと」自体より「君に会いたい」という思いが「僕のエネルギー」になっているんだと思います。


話は飛ぶけれど、岡村ちゃんのこと。歌いたい踊りたい伝えたいという思いは人一倍あるんだろうけど、それ以上の何かが彼を圧迫するんだろう。それは普通の人なら気にも留めないようなことなのかもしれない。彼みたいな感受性を持っていたら、さぞかし生きにくいだろうなぁと思う。岡村ちゃんのしたことを正当化しようとは思わないけど、見捨てようとも思いません。批判をすべきなのかもしれないけど……。そういえば柳美里ってあんまり好きじゃないんだけど、ブログでおすすめとして「聖書」「だいすき」「どぉなっちゃってんだよ」「(E)na」「ステップUP↑」「セックス」「ハレンチ」を挙げていて、不覚にも親近感をおぼえてしまった。「だいすき」が好きなんてかわいいじゃないか。あと私は「ハレンチ」を聞いているとものすごく切なくなるんだけど、これは今いちばん岡村ちゃんに捧げたい歌かもしれない。