愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

井の中の知念様

飽きもせず、知念様探求中。



森本 ちょっと、みんな知念くんのかわいさに甘すぎじゃない!?なんでもかんでも"できなーい"って最初に言うけど、"あなたが何かできなかったこと、いちどもないでしょ"ってツッコみたくなる。
 知念は天才だからな。
森本 もうっ。
(『Myojo』2008年12月号)


というわけで、知念様はオールマイティーになんでもできるというのは自他ともに認めるところのようですが、実は知念様はなんでもできるわけじゃなくて、できることしかやらないから、なんでもできるように見えるだけなんじゃないかという気がしてきました。というか、ご自分でもおっしゃっております。

●メンバー1、ここめっちゃ弱いんです!
うーん、なんだろうなぁ。うーんうーん……ないんだよね。負けるところでは勝負しないタイプだし(笑)
(『Wink up』2008年12月号)


そう、知念様が負けないのは負ける勝負をしないからなのです。


それだけなら「知念様も所詮『井の中の蛙 大海を知らず』なのね……」で終わる話なのですが、どっこい知念様は自分が井の中にいることをご存知なのです。

何度も言ってるけど、ボクは自分の体を使って何かやるのは得意なんだよ。でも、体以外に何か道具を必要とすることには力を発揮できない人なの!(中略)歌を得意としてるわけでもないんだけど、楽器の演奏はムリだね。できる人たちにまかせるよ(笑)。
(『duet』2009年2月号)


中高生くらいの時って「自分に何ができるか?」なんて分からないと思うんです。だから「これから色んなことにどんどん挑戦していきたい!」というのがこの年代のアイドルの模範解答なんじゃないかと思う。それが行き過ぎると「俺はやろうと思えば何でもできるんだぜ!今は本気を出してないだけなんだぜ!」と中二病チックな人間になっちゃうんでしょう。


でも、知念様って自分のできることとできないことの線引きが既にきっちりなされているんです。その上で自分のできることしかしない。知念様は井の中の蛙かもしれません。でも、その外に大海があることも知っています。知った上で、井の中にいることに甘んじているのです。


ただ、冒頭に上げた、もったんの"あなたが何かできなかったこと、いちどもないでしょ"というツッコみも正しいのだと思う。
つまるところ、知念様は井の中の蛙だけど、その井戸自体めちゃくちゃ広いんです。
こと、アイドルという職業をこなしていく上で必要なものは必要以上に揃っているのです。


アイドルはその人自身が商品です。「自分の体を使って何かやるのは得意」な知念様にこれ以上打ってつけの職業があるでしょうか?


知念様が天才的に素晴らしいのは、歌やダンスやずば抜けた運動能力ではなく、自分のいる井戸の広さを知った上で、それを最大限に活用できる場を選ぶことのできる自己認識能力の高さなんじゃないかと思います。