愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

「エルフェンリート」/「殺人鬼」

もうすぐ悶絶知念様が放送されますね!!!!!11月1日11:45〜は日テレのスクール革命、スクール革命をよろしくお願いします!!!!!!
興奮を抑えるために前から気になっていた「エルフェンリート」を一気読みして、漫画を読んだら活字も読みたくなって、最初は茂木健一郎を読んでいたけど興が乗らず、そのへんに転がっていたチャタレー夫人を読み始めたけどしっくりこなくて、本棚をぼーっと見てなんとなく手に取ったのが「殺人鬼」でした。なんだかエグい作品ばかり読んでしまった。最近「もったんのイノセンスゆえの残酷さ」について考えていたので、こういう選択になったのかな?全然参考になんなかったけど。




エルフェンリート 1 (ヤングジャンプコミックス)

エルフェンリート 1 (ヤングジャンプコミックス)

全12巻。本能的に人間を殺戮する衝動と能力を持ち合わせた突然変異の美少女たちと一人の少年のエログロバイオレンスラブコメ……的な物語。ごく普通の少年と特殊能力を持つor特別な運命を背負う少女のボーイ・ミーツ・ガールストーリーの巨匠といえば宮崎駿だと思うのですが、こういう物語は「女の子の宿命を男の子が背負ってあげる」ことが少年少女たちの絆の根底にあるからこそ、単なる恋物語以上の胸キュンストーリーになるんだと思うんです。たとえば「天空の城 ラピュタ」のクライマックス、シータはパズーと共に破びの呪文を唱えます。パズーはとびきり頑丈な身体の持ち主であること以外は普通の少年です。別に滅びの呪文だって、シータ一人が唱えれば済む話なのです。その呪文を一緒に唱えることにより、パズーはシータの抱える宿命をその身に引き受けているのです。


けれども、この作品の主人公コウタはディクロニウスとして苦悩する少女たちのことなんて全く知らず、かわいい女の子たちに囲まれてリア充大学生ライフをのほほんと楽しんでいます。確かにそれなりに危険な目にあったり、悲しい過去を背負っていたりもするのですが、基本的に自分のことばかりで、女の子には優しいけれど、その宿命までを背負ってあげようという気概は感じられません。
逆に少女たちは自分の大事な男性を守ろうと必死に闘っていて、大切な人の命も宿命も全部自分だけで背負ってやろうという強さを感じます。この作品は読んで、「時代は『ボーイ・ミーツ・ガール』というより『ガール・ミーツ・ボーイ』になってきているのね〜」なんて思ったのですが、ここである台詞が、脳裏をよぎりました。

女と男のLOVEと書いてこれを「革命」と読みます
愛して愛されて この永遠のテーマは『Girl loves Boy』から始まるのです


滝沢秀明『愛・革命』)

ジャニー原案(おそらく)のすっとこどっこいな台詞ですが、案外これは真理をついているのかもしれない。
というわけで、革命時代の幕開けを感じた作品でした。




殺人鬼 (新潮文庫)

殺人鬼 (新潮文庫)

過去に館シリーズを1・2冊読んだことがあるけど、全然違いますね。目をそむけたくなる小説。とにかくグロかった……!ビールを飲みながら読んでたけど、途中で飲む気が失せた。ずっとブラクラ踏んだ時みたいな顔をして読んでいたんじゃないかと思う。目をそむけながら読んでいる中でも「ん?」と多少引っかかるところがあって、でもグロいので読み返す気にもなれず、真相が明らかになっても「ああ、そう……」くらいにしか思えませんでした。これもミスリードの手法として有効なのかもしれない。
「死」が記号化されているミステリ小説よりは、いっそ一つ一つの「死」を過剰にラッピングしたこういう作品の方が好感が持てるような気がする。いや好きではないけど……。なんだかんだで面白かったので、続編もそのうち読みたいです。