愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

ハピネス

ハピネス [DVD]

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昨日は大学時代の文学仲間みたいな人たちと飲んでいて、私がアイドルヲタ街道を驀進しすぎて他の文化的活動を放棄してているのを見て「ちょっとは映画とか本も読みなされ」と諌められました。でも私にとってはどんな書物を読むことよりも知念様の言葉について考えることの方が重要なんです。16歳の少年を理解するためにフロイト稲垣足穂を再読するつもりだと言ったら呆れられました。私は男に生まれたかった。

でも折角おすすめされたので、今日の準備をしながら見てみました。日本じゃ絶対に作れない(っていうか作らなくていい)悲惨なコメディ映画。人の欲望の醜さと滑稽さをこれでもかというくらい露骨に描いて、「それでも人間って自分が幸せだと思い込める幸せな生き物なんだよね」といわんばかりの皮肉で包み込む。皮肉なんだけど、きちんと包みこんでくれているので、ブラックだけど不思議な温かみのある映画でした。もしセブンの子たちが見たら(見なくていいけど)、ゆうとりんは下品な表現に顔をしかめ、山田くんは理解できない世界を一生懸命理解しようと苦悩し、知念様は興味深く視聴しながらも「くだらないね」と吐き捨てて、圭人も興味深く視聴して「いや、まるきりくだらないってわけでもないよ」と呟いて、もったんは途中で見るのをやめて好きなお笑いDVDを見始めることでしょう。欲望のかたまりな愚民は泣きながら笑いました。面白かったです。アクリルたわしもちょうど2個編めてよかった。