愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

八乙女光さん、20歳おめでとうございます。

今年はジャンプメンのお誕生日をお祝いすることを通じて、へいせいじゃんぷというユニットと向き合おうという自主目標がございまして、これを決めた時は「薮くんから始まって光で終わるなんて象徴的!」と悦に入っていたんですが、なんとね、書いていないんですよね、おひつじ座軍団を……。高木、圭人、もったん、ありたん、ごめんなさいね……。いつか、しれっと更新しているかもしれません。2010年以内にはどうにかしたいもんです。


さて、なぜ冒頭に上げたような自主目標を掲げたのかというと、私はこんなに知念様が好きなくせにHey!Say!JUMPというユニットを肯定することにまだ抵抗があるんです。こういう話って本当はすべきじゃないとも思うんですよね。「知念様が好き」という言葉は免罪符にはならない。でもしないではいられないし、この話をするのに光のお誕生日はうってつけの日だと思うんです。


(12月1日付けで上げてしまった……心の目で「12月2日」と読んで下さい……)




もう何度も何度も言っていますが、私にとって彼らは瓦礫に咲く花です。この10人が集まったことを奇跡と呼びたくありません。彼らが奇跡なのであれば、その前にあったYa-Ya-yahJ.J.Expressも同じく奇跡のはずでした。だけどそれは失われてしまった。

私はジャニーズに、ずっと何かしらキラキラとしたものを求めていました。それを一言で表すなら「奇跡」なんだと思います。「REAL DX」の「世界中の奇跡をかきあつめてきたのさ」という歌詞に万能感を抱き、「この星でうまれて」の「奇跡のようなそんな出会いを繰り返し生きている」という歌詞に胸を熱くし、「Never Stop the Music」の「やっと君に会えた その奇跡に震える」という歌詞に震えていました。彼らがあんまり素敵に「奇跡」ということを歌いあげるから、かつての私はすっかり奇跡という言葉を信じてしまっていたんです。
でも奇跡なんて、本当はないんです。そのことはもうよく分かっているんです。どんなに信じても、願っても、叶わないことはある。


光のことって、実は昔はあんまり好きじゃありませんでした。私はYa-Ya-yahの中だと赤間くんが好きだったんで、赤間くんの立ち位置が下がり始めた時期に入ってきた光は平和を乱す異邦人のように思えました。末っ子ならではなのか、粘度の高い小生意気さも好きになれなかった。
光を見直したのは、初めてJUMPコンに行った時のMCです。当時はJUMPに興味なんて1ミリもなくて、センターステージが「JUMP」の文字で潰された横アリを見て「このユニット大丈夫かいな?」と思っていたんですが、そんなJUMPのMCが意外と面白くて、そのMCを綺麗に回していたのが光だったんです。メンバーにまんべんなく話を振り、さばいていく様子を見て、光の頭の回転の速さと場の空気を読む力に感心しました。
光をすげーと思ったのは2009/10/25更新の「JUMPaper」でした。4ページにわたる超大作を読んで、一番JUMPを大事にしているのはこの人なんだとしみじみ思いました。メンバー一人一人に対するツッコミや、マナーの悪いファンに対する言葉も良かったけど、何より印象的だったのは「1ヶ月連載にして欲しい」とか「ヒカルさんの相談ルームをやりたい」とか、そういう願望をwebスタッフに訴えていたところです。口調はふざけていたけれど、この人は物事をより良くしていくためには、こういう要望をしっかり言える人なんだと思いました。そしてそのことをとても心強いと思いました。

光は勘の良い人なので、最初にYa-Ya-yahに入った時も自分が異邦人であることは分かっていたと思うんです。仙台から通っていたことは余計にその感覚を増長させていたかもしれません。それでも、その中で一生懸命努力をして、自分の居場所を作っていって、さあこれからという時にその場所は失われた。そのせいなのかは分かりませんが、JUMPのメンバーの中で一番に喪失に対して感度が高いのは光なような気がします。


この2年近く、彼らの活動を私なりに全力で見てきました。彼らは奇跡ではありません。でも、一度は失ったからこそ、彼らは失うことの辛さを知っているんじゃないかと思います。サマリーのOPで手を繋ぐ10人は何度見ても胸が熱くなりました。奇跡じゃないからこそ、必死で繋がろうとして手を繋ぐ10人がいとしくてしょうがありません。
中でも光が隣のもったんといのちゃんを繋ぐ手の力は強かった。あんなに力を込めて手を繋いでいたのは、たぶん光だけでした。
薮くんのお誕生日でも引用したこのフレーズをもう一度引用します。

やっと君に会えた この奇跡に震える
ギュッとつないだ手は もう離さない


(『Never Stop the Music』 作詞:飯田建彦・成瀬英樹、作曲:飯田建彦)


たぶん光はかつて自分がいた場所のことを忘れることはないでしょう。
そこは異邦人だった自分を初めて受け入れてくれた場所だったから。

その分、今の光はこのJUMPという形を守るために必死な気がします。
サマリーでギュッと繋いだ手にそういう思いを感じました。
光みたいな人がいてくれて良かった。
本当によかった。
時にJUMPの父であり、時に母である光ですが、
中2病を治そうともせず、飄々とこじらせている姿も結構好きです。
ベースがバンドの音を導くように、これからもJUMPを導いてやって下さい。

八乙女光さん、20歳おめでとうございます。