愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

知念様の気持ちになって圭人の着メロを作ってみた

かつて滝沢さんは「愛してる分かってる君のこと」と歌いましたが、好きな人を理解することほど切実で難しいことはないと思います。常日頃から知念様について少しでも正しく理解したいと思っていて、暇さえあれば知念様に思いを馳せているのですが、この2年半毎日考えていても、私には滝沢さんのように「分かってる知念様のこと」とは言えません。やっぱり滝沢さんはすごい人です。
知念様を理解するために、色々な方法でアプローチをしているのですが、その中で一番単純な方法が「真似をすること」です。私は基本的にダンスは振りを覚えますし、CDが出ると必ずカラオケに行って曲を歌うのですが、そうすることにより実際に歌い踊っている時の知念様の感情が少しだけ理解できる気がするんです。聞いてるだけではピンとこない曲でも、歌ってみると意外に楽しかったりして、そういう曲はコンサートでも化けることが多い気がします。私ごときですら歌いやすい曲は知念様も気持ち良さそうに歌っている気がします。そうやって、勝手に知念様気分になって悦に入ることが密かな趣味だったりします。


さて、そんな私が最近気になってしょうがないことがありました。それは、WUでの知念様の発言でした。

ちなみに、僕の電話の着メロは圭人だよ。圭人のソロパートを自分で編集して、誰からでも電話がかかってくると、そのワンフレーズがエンドレスで流れるの(笑)。

(『Wink Up』9月号)


何度読んでも意味が分かりませんでした。『OVER』の特典でダウンロードできる着ボイスではなく(それだったとしてもどうかと思うが)、自作の着メロ?え、なんで?何が楽しいの?
この2年半、毎日のように知念様について考えすぎていて、分からないなりに自分なりの知念様を読み解く方程式が多少できていた気がしたのですが、今まで自分の中で打ち立てたどんな定義や方程式を使っても、理解不能の行動でした。この対象が大野くんだったら、まだ理解はできたかもしれません。
新しい知念様の一面にわくわくしました。この部分を理解できれば、私は知念様についてもう少しだけ正しく理解できるかもしれないと思いました。そうして、私はもう何百回目か分からない知念様探究の旅に出ることにしました。


そもそも、圭人のソロパートってあったっけ?という、非常に失礼な疑問から探求は始まりました。かつて、私もエイトファンの時はパート割の聴き分けに全力を尽くしていました。なぜなら、私はやっさんの歌声が大好きなのにやっさんのソロパートはとても少なかったからです。あの頃と比べて、今の私はあまりパート割の聴き分けにこだわらなくなりました。なぜなら、努力しなくても知念様パートはたくさんあって、しかも聴き分けやすいからです。メインの方のファンになり、かつては当たり前のようにしていた努力を怠っていたことに思い至り反省しました。常に初心を忘れてはいけませんね。


とりあえず、そんな怠け者の私がすぐに思いついた圭人のソロパートは『ガンバレッツゴー!』の「流れる汗は裏切らない」と、『Thank you〜僕たちから君へ〜』の「この歌」と、『Deep night 君思う』のまったりとした英語のラップ(?)部分くらいでした。ただ、Deep nightは「ワンフレーズ」という表現にそぐわないので、たぶん違うだろうと思いました。また、昨日ある方と話していたところ、『ユー・ガッタ・モール』の「胸にきゅんと」も圭人パートだとご指摘を受け、私の中の知念様の着メロ候補は3つになりました(もし、他に圭人のソロパートがあったら、浅学の愚民に教えて下さい……)。


さて、ここまで候補があがると、どれが一番着メロにふさわしいか実践してみるしかない!という謎の義務感にかられ、私も知念様と同じように自分で編集して着メロを作ってみずにはいられなくなりました。
知念様がどのような手段を使ったのか知る由もないのですが、私は「エンコーダーでMP3録音→圭人のソロパートだけ編集→着メロに変換」という方法をとることにしました。アナログ人間の私にはこんな野暮ったい方法しか思いつかなかったのですが、知念様はもっと先進的でアーバンな方法で作られたに違いありません。


私の中で、圭人のソロパートとして一番印象に残っているのが「流れる汗は裏切らない」です。コンサートでもよく歌っているし、曲調も明るくて着メロに向いてる気がしたので、私の中での着メロ候補ナンバーワンでした。けれども、編集をしていてあることに気付きました。この部分はソロとソロの間にメンバーの合いの手のようなコーラスが入るので、圭人の部分だけ切り取ることがとてつもなく難しいんです。無理矢理編集しても、前後に不完全なコーラスが混じり、綺麗な着メロにならないのです。なんとなく知念様はこういうことにこだわるような気がして、一気に着メロ候補の最下位に転げ落ちました。

次に、『Thank you〜僕たちから君へ〜』の作業に取り掛かりました。これは編集しやすくはあるのですが、元々まったりとしている圭人の声のまったり感が繰り返しにより増長され、聴いていると段々ちょっとしたマインドコントロールを受けているような錯覚に陥っていきました。その洗脳パワーは名曲『すまいるそんぐ』の「Let's change」に勝るとも劣りません。バラード好きな知念様的には悪くはないのかもしれませんが、個人的にこのワンフレーズが流れ続ける着メロというのはネタとしても面白くないと思うし、何よりキモすぎるので(圭人がキモイのではなくこれを着メロにしてる知念様が本気の圭人担すぎてキモい)いまいちかなと思いました。

最後に残ったのが『ユー・ガッタ・モール』でした。これが編集しやすい上に繰り返してもノリがよくて、かなり良い感じなんです。そもそも知念様の上記のインタビューは『OVER』の話から始まっていたので、『OVER』のカップリング曲である『ユー・ガッタ・モール』がインタビューの流れとしても一番ふさわしいような気がしました。


私の中で着メロとしてふさわしいパートが決まったので、早速この『ユー・ガッタ・モール 』を着メロにしてみることにしました。こちらのサイト(http://3gp.fm/)を使ってみたのですが、不器用な私でも簡単に携帯に着メロをダウンロードすることができました。今の世の中は便利なものがあるもんですね。しかし、こちらを使って携帯に落としたはいいものの、思わぬ弊害がありました。なんと、音が小さくて全然聴こえないのです。これじゃあ着メロになりません。鳴ってるのにマナーモードも同然です。慌てて、PCの音量を最大にして録音しなおし、再度携帯に移すと、今度は程よい音量にすることができました。やれやれだぜ……。


最後の作業として、知念様と同じように携帯の着メロに設定してみようと思ったのですが、ここでも私は壁にぶちあたりました。ちょっと長く書いてしまうと自分のレポすら読めなくなってしまうくらいへっぽこな私の携帯では、聴くことはできるのになぜか着メロとして設定することはできなかったのです。
ここまでの作業ですでに1時間30分ほど費やしていたと思います。食事や睡眠やお風呂の時間を除いて、私が平日に使える自由時間は2時間程度しかありません。そのほとんどを私はこの作業に費やしてしまったのです。脳内ではカーペンターズが歌ってました。I know I've wasted too much time。無駄な時間を使い過ぎた、知ってたけど。最終的に、もう携帯で聴ければいいやというやけっぱちな気分になり、私の圭人の着メロ作りは終わりました。知念様とまったく同じ状況を作れなかったことに悔いがないとは言えませんが、私にも生活があるのです。貴重な時間をこれ以上圭人の着メロ作りに割くことはできないんです。


この作業をしている間にも色んな発見がありました。とにかく、圭人のソロパートを抽出している自分がきもかった。圭人のソロパートを探して録音して編集しながらにやにやしている自分がちょっとやばい人間みたいに思えた。「私、なんでこんなことやってるんだろう」と何度も思いました。

圭人の声が思っていた以上にまったりしていることにも気付きました。「流れる汗はうらぎ・ら・な・あ〜い♪」とのんきに歌っている圭人の声を聴くとなんだか脱力します。「流れる汗はうらぎ・ら・な・あ〜い♪」や「このうたぁ〜」に比べると、「胸にきゅんと」は疾走感があって、圭人の声的には新境地なような気がしてきました。だから知念様もこれを選んだんじゃないでしょうか。


というわけで、携帯で圭人の「胸にきゅんと」をエンドレス再生をしながらこのエントリを書いていたのですが、やっぱりこの着メロは異様です。私の携帯が鳴った時にこの着メロが流れたら、私のことを古くから知っている友人たちもドン引きすると思います。こんな代物を知念様が自分のパソコンでせっせと作っていたのかと思うと、若干気持ち悪いです。でも、その気持ち悪さは知念様のかっこよさをまったく損なっておらず、むしろ西瓜に塩をかけて甘みを引き立てるように、知念様のかっこよさとかわいさをむしろ引き立てているような気すらしてきました。まさに、ピンチはチャンスです。
山田くんでもゆうとりんでもなく一番ソロパートが少ない圭人の着メロを作っているところや、その少ないソロパートの中でも(知念様の着メロが本当にこの部分なら)唯一コンサートで一度も歌っていない部分をせっせと編集しているところが、なんだかいじらしくもあります。まさにそんな知念様に「胸にきゅんと」きてしまいます。私はこの曲は『カワイイ君のことだもの』の17歳バージョンだと思っているので(これについてはいつかちゃんと語りたい)、気持ち悪い中にかわいらしい知念様が潜んでいるのを発見できた気がして、嬉しくなりました。


こうして、何百回目か分からない私の知念様探究が終わりました。知念様は圭人の着メロを作っていてもかっこいいということが分かって、愚民は何百回目か分からない感動を覚えました。これからも私は知念様の中を何度も迷って、何度も発見するんだと思います。普通に日本で生活していながら何度もコロンブス気分を味わえるなんて、やっぱり知念様は素晴らしくてかっこいいです。