愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

フランス旅と謝罪と言霊

日付ということにはこだわらないで、ただ今月のカレンダーをできるだけ埋めるということを目標に日記を書いていこうと思います。もうそれって日記じゃない気もしますけど……。

そんなこんなで、いま一番知念様界隈で最もホットな話題と言えば、もちろん高木とのフランス二人旅でしょう。最近、愚民は体調不良が続いていてなかなかテレビが見られなかったのですが、ようやく回復してきたので2回分一気に見ました。ついったーでちらちら知念様があやまらなかったというのを見てて、何のこっちゃと思っていたんですが、ようやく意味が分かりました。

見知らぬ土地をたった二人(では実際はないけど)で旅をする以上、すべてのことは連帯責任だと思うから、どっちもすごく眠いのに片方だけに責任を押し付けて爆睡する取り決めをすることがそもそもありえないし(「俺は全然眠くないから、寝てていいよ」と自発的に言うなら分かる)、百万歩譲ってそういう取り決めをしたとしても私が高木だったら自分でアラームでもセットして保険かけておくと思う、と個人的にはそもそもの部分につっこみたい気もするんですけど、高木相手にそんなこと言っても仕方がないし、そんなのーてんきな高木が好きなので、とりあえず知念様は寝てはいけないのに寝てしまって、しかもそのせいで降りるべき駅を寝過ごして大変になってしまったのにあやまらなかった、ということについて考えようと思います。約束した以上、理不尽であろうとその約束は守るべきですしね。

私は知念様のことを言霊の人だと思ってます。基本的にネガティブなことを言わないのは、言霊を信じているからだと思うんですよね。知念様自身が言霊という言葉を意識してるかどうかは知りませんが、一切否定的なことを口に出さず、態度にも出さず、ただひらすら信じるということが知念様の強さの秘訣なんだと思います。成功をイメージし続ける強い精神力はスポーツ選手に通じるものがあって、そのあたりは知念様の出自によるところが大きいのかもしれません。
そういう知念様だから、たぶん一度自分でこれとイメージしたら、それに反することをしちゃ絶対に駄目なんです。今回の高木の二人旅では知念様は自分を仕切り役と設定したから、常に高木を引っ張っていってあげないといけないんです。いや、今回の旅に関わらず、そもそも高木に対しては自分が引っ張る側だと意識しているような気もします。

なのに、寝てはいけないところで寝てしまって、旅の大きな失敗をしてしまった。これは、知念様の中のイメージに反することで、これを受け入れたらたぶん知念様の中の「仕切り役」という柱がぽきっと折れてしまうんです。謝罪すればそれを認めることになるから、知念様は謝れない。
これは何度も言ってる気がしますが、知念様って防弾ガラスみたいな人なんだと思います。普段はめちゃくちゃ強いけど、少しでもヒビが入ろうものなら普通のガラス以上に粉々に砕けてしまう。たぶん、謝ったら知念様は粉々になってしまって、もう戻れないんです。謝るよりも先に、そのミスを自分の力で取り返さないといけないんです。取り返して初めて知念様は素直に謝れる気がします。

もちろん、単純に謝るのが得意じゃないということもあるんだと思います。会社の先輩ですごく事務の正確な方がいて、なんでそんなに完璧にできるのか聞いたら「謝るのがいやだから、絶対にミスしないようにしている」と言われたんですが、知念様の完璧主義もここから発している気がします。当たり前だけど、完璧であれば謝る必要もないですからね。

それももちろんあるんだろうけど、今回謝れなかったのは謝ることが「仕切り役」という自分のイメージの否定材料になるからだということが強い気がしました。相手が別の、知念様が甘えられるような人だったら、知念様はきっともっとかわいげのある態度を取ってた気がします。

知念様は絶対に悪いと思っていて、次の日に寝過ごし事件で旅程が遅れているにも関わらず、高木がお城を見たがったのを何も言わずに受け入れたのは罪悪感の表れなんだと思います。何も思ってなかったら、「は?何言ってんの?遅れてんだから行くよ」と言えるでしょう。

昔あんなに無邪気だったちねんたんを今の知念様にしたものは何だったんだろうとずっと考えていたんだけど、この一連の流れを見て、なんとなく分かった気がします。こういうことの積み重ねできっと知念様は変わったんだ。他にも色々思うことはあるんですが、長くなるのでここでは割愛します。

知念様はがんばって仕切ってるけど、時間の読みが甘くてしょっちゅうギリギリになるし、本当に仕切るのは末っ子なせいかやっぱり向いてなくて、そんな中でがんばってる姿がすごく愛おしいです。