愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

病的な興奮

あたくしに言わせれば、あれは病的な興奮ですもの。絶対に信ずることのできない恐ろしい物語ですわ。お二人とも、何のためともわからずにわが身を滅ぼそうとし、自分でそれを承知しながら、楽しんでいるんです。

(『カラマーゾフの兄弟(上)』ドストエフスキー原卓也訳)

ロシアに行くにあたってドストエフスキーの長編をいくつか読み返していたんだけど、やっぱりカラマーゾフは面白い。私のHNもカラマーゾフの末の弟アリョーシャからとったもので、まさかこんなに長くこの名前を使うことになろうとは思わなかった。
知念様を見ていると私はいつでも異常に興奮してしまい、満足に録画した番組や買ってきた雑誌を見られないほどなんだけれども、その感情はなんとなく破滅的で、そのために自分を苦しめることにそこはかとない喜びを感じてしまう。それはカラマーゾフの「病的な興奮」の章で描かれている人々に通じるものがある気がして、日記の名前を変えてみた。
ただ、かつては病的な興奮にまかせて、睡眠時間を削って日記を書くことに妙な喜悦をおぼえていたけれど、今年になって本当に体がついていかなくなったので、来月になったらまた跡地に戻っているかもしれない。