愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

NYC写真集

日々の忙しさにかまけてジャンプのことも知念様のことも考える暇がなく、すっかりこの写真集のことも忘れていたけれど、なんとなく本屋に寄った日がフラゲ日だったあたり、まだ知念様に対する多少の引きの強さは残っているのかもしれない。
すぐに中身を見たくて、わざわざグリーン券を買って帰りの電車に乗り込む。その車両には私しかいなかった。

写真集は全体的にかわいくて、綺麗で、サイズ感もデザインも好ましくて、黒髪の知念様はとても愛らしかった。だけど、何かが足りない気がした。いや、むしろ足りないものがなかったのかもしれない。


私はモーニング娘。の「ハミルトンアイランド」という写真集が大好きで今でも時々見るのだけれど、あの写真集はとても明るくて、牧歌的で、幸福感に溢れているにも関わらず、どこか淋しかった。たぶんその幸福すぎる時がとても刹那的で、永遠に続かないことが伝わってくるからなんだと思う。どこか淋しいからこそ、私はその写真集が好きだった。

NYCの写真集はなんとなくNYCというより、N+YCの写真集なような気がした。知念様の隣りには常に山田くんが寄り添っていて、そんな様子を優馬くんが優しく見守る、という構図が多い印象を受けた。知念様の隣りには山田くんがずっといて、これからもそれは続いていくということをやんわりと告げられている気がして、そこに淋しさはあまり感じられなかった。


私はもともと知念様の覇王感が好きで、今では色々考え方も変わったけれど、それでも結局知念様は一人でいる時がとても美しいと思う。余計なものをまとわず、自分の身一つで何かに立ち向かっている姿が何より美しい。あんなに淋しがり屋なのに結局は一人でいなければならない知念様の孤高感を私は愛しているのかもしれない。どこまで行っても知念様は「Now I stand here by myself,where my heaet belongs」なんだと思う。

だけど、NYC写真集の知念様は山田くんとニコイチで、そこに淋しさはなくて、そのことが私は淋しかった。せっかく知念様の十代最後の写真集なんだから、私は知念様の十代に満ちていた孤独を写し取って欲しかった。


YCにあまり興味のない私がここまで感じるのだから、きっとYCが好きな方にはすごく良い写真集なんだと思う。とても優しさに溢れていて、とがったところがない写真集。私はNYCの3人で一つではなく、3人が3人でしかないところがわりと好きで、もっとN+Y+Cという空気を感じていれば感想は違っていたのかもしれない。


NYC 1st PHOTO BOOK 『 COLORS 』

NYC 1st PHOTO BOOK 『 COLORS 』


何この書影(笑)そういえば、知念様の中でNYCのコンセプトがフレンチキスと同じっぽいことに笑った。