愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

瞬太くんと知念様

「陰陽屋へようこそ」は入院していたせいで3話以降が見られていなかったのですが、ようやく5話まで見ました。瞬太くんって知念様が今まで演じた役の中で一番知念様が感情移入できている役なんじゃないでしょうか。草平くんに対しては本当に理解不能みたいな態度だったし、隼人くんに対しても「馬鹿なやつ」としか思っていなかった気がします。
馬鹿度合いで言えば、瞬太くんは今まで演じた中ではキングオブおばかさんなんだろうけど、瞬太くんって素直だし、正義感も強いし、基本的に家族とか商店街の人とか周りの人を大切にするじゃないですか。そういうところが知念様は共感しやすいんじゃないかと思います。あと、基本的に年上の人たちに囲まれているという環境もすごく良いです。知念様はインタビューでもよく大人の女の人ばかりのダンス教室でダンスを習っていたお話をされていますが、そういう環境が一番落ち着くんだと思います。知念様が自立した甘えん坊なのはこのあたりの幼少期の体験が根底にあるんでしょう。
公式サイトの南野陽子さんのインタビュー内にあるこのやりとりが好きです。

あのシーン(5話の冒頭で夫に手作りジャムを食べさせてもらうシーン)、(味の感想を)手でバッテン(×)を出すのが監督の演出だったんですが、本番直前に知念くんから、バッテンした手の指先を反らしてって言われて、息子が言うのならとやってみました。でも、そうすると、バッテンじゃなく丸(○)になっちゃうんですけど(笑)。

南野さんにお願いする知念様!!このくらいの世代の女性の方が一番話しやすいんでしょうね。本当に微笑ましいです。南野さんの飾らない人柄も良いんだと思います。二人ともかわいいです。


何より、瞬太くんが捨て子で、しかも妖狐という設定が良いです。瞬太くんはみんなに愛されているけれど、究極的には一人だしみんなと違うんですよね。それが、ジュニア経験のない知念様のジャンプ内での立ち位置とか、運動神経がすぐれすぎているが故に孤独な出し物を強要されてしまうところに微妙にリンクするんです。知念様ってみんなに愛されているし、知念様自身もジャンプのことが大好きなんでしょうけど、絶対的に孤独なんですよね。もうそういうところにもすっかり折り合いがついて落ち着いていらっしゃいますが。
瞬太くんはおばかさんなので、今のところそういう切なさはないのですが、話の展開的にそこに直面せざるを得ない場面が出てくると思うので、それを知念様がどんな風に演じられるのか今から楽しみです。


それと、このドラマでは知念様のあきれ顔がよく映りますが、そのあきれ顔っぷりが容赦なさすぎるので、やっぱり知念様は自分がかわいいなんて本当はそこまで思ってないんだと思いました。だけど、自分の価値のうちの一つとして「顔がかわいい」という要素が大きいことはよく理解しているんですよね。知念様の素敵なところはたくさんありますが、そういう精神的なアンビバレンツさが最大の魅力なのかもしれません。切なかっこいい。