愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

誰が知念様を人見知りにしたのか?〜膝乗りの代償〜(前)

知念様は現在「陰陽屋へようこそ」に絶賛出演中ですが、知念様のドラマ出演関連の出来事で印象深かった事件と言えば「ガムテープ事件」をおいて他にないでしょう。「最高の人生の終わり方」出演時、知念様は人見知りのあまり共演者に話しかけることができず、空き時間はずっとガムテープを見つめて過ごしていた、という三次元に起こったとは思えないこの事件は知念様の人見知りっぷりを象徴する出来事です。


でも、思うんです。知念様って本当に最初からそこまで人見知りだったんでしょうか?そのあたりのことを知念様の歩みをざっくり辿りつつ考えていこうと思います。


知念様の初仕事といえば忍者ハットリくんの実写版「NIN×NIN」ですが、そのDVDの特典に収録されている知念様の密着ドキュメント「400日の大冒険」の中でこんなやりとりがありました。

―帰りたいという時ある?
「ない」
―ない?でも疲れたなぁと思った時とかそういう時どう?お母さんに会いたいとかさないの?
「会いたい時はある」
―さびしい?
「楽しい」
―楽しいの?
「だって色んなスタッフの人がいるから」

絶対、インタビュアーは「さみしい」というコメントを引きだして、世のショタコンたちの心を鷲掴みにしたかったんだと思うんですが、知念様はポジティブな言葉しか言いませんでした。「色んなスタッフがいるからさびしくない」って人見知りの発想じゃないと思うんですよね。
また、2009年のカツン不滅コンに一人でゲスト出演した際にも、聖だかじんじんに「かわいいね」と言われ「知ってます」と言い放ち、バンジーにビビるゆっちにつっこみまくり、東京ドームにどよめきをもたらしていました。あの威風堂々っぷりからも人見知りという属性は見出せませんでした。
NIN×NINの頃は知念様自身がまだ幼すぎて人見知りという概念がなかったのかもしれません。カツンについてはツアーに付いていたので、人見知りの対象ではなかったのかもしれません。でも、ある時期までの知念様ってあんまり人見知りって感じがしなかったんですよね。私が始めて知念様を意識して見るようになったセブンコンでは知念様がMCを回していた(ような気がする)し。知念様の人見知りという性質は後天的、しかも比較的最近生みだされたものではないかと思うんです。


知念様にとって「かわいい」と言われることは最初の仕事の時から最大のコミュニケーションツールだったんだと思います。ただ、NIN×NINの現場ではかわいがられながらひたすら仕事をがんばればよかったんでしょうが、同年代や年下もいるジュニアの中ではそうもいきません。知念様が本格的にジュニアに合流したのは中学2年生になる直前でした。ジュニアを始めるには薹が立っている年齢で年下もたくさんいますし、何より同い年のゆうとりんや山田くんはとても追いつくことのできないようなキャリアを積み上げています。ダンスの実力があったとは言え、いきなりその人たちと同列でジュニア活動を始めなくてはならないことは、肉体的な面以上に精神的にかなり辛いものがあったことでしょう。


そこで、知念様は小動物のような愛らしい容姿を活かして積極的に甘えることにより、同世代のジュニア内での人間関係を築くことを選んだのだと思うんです。きっと、ゆうとりんあたりは最初から「知念かわいいね」と無邪気に言ってくれていただろうから、そういう小さなきっかけを掴んで「かわいい」というツールに「甘え」というメッキをほどこしていったのではないでしょうか。
このあたりの言動からしばしば知念様が腹黒いと言われがちなんですけど、この世界で生き延びるための無意識の選択だったんだと思うんですよね。かといって、知念様自身も特に自分を偽って演じていたわけでもなく、ただ自分の中の甘えん坊なところを過剰に演出していただけで、この頃は楽しみながら親交を深めていっていたんだと思います。そうして「庇護下に置かれることで人間関係を深めていく」という知念様の対人関係の礎が作られていったのでしょう。


知念様の「甘え」の中でもっとも象徴的な行為が「膝乗り」です。知念様が高校生になってもジャンプメンバー(年下のもったん含む)の膝に座っていたのは有名な話ですが、NIN×NINの特典映像ではどんなに甘えていても膝乗りなんて全然してないんですよね。だから、知念様の「膝乗り」はジュニアになってから始まったものなんじゃないかと思うんです。
膝乗りをはじめとする甘え攻撃は、頑なだった山田くんの心をも溶かし知念様はジャンプの中で自分の地位を確立しました。今思い出しても2009年の知念様は本当に最強だった。そして、その最強っぷりに惹かれて、私も転げ落ちるみたいにファンになりました。その一方で声変わりなどの二次性徴が知念様に少しずつ変化を与えていたのでしょう。
そんな2009年半ば、知念様と山田くんが選抜されたNYC boysが結成されることになったのです。


長くなったので明日に続く。
ちなみに「膝乗り」は圭人にだけはしなかったんですけど、このことに触れると止まらなくなってしまうので割愛します。というか、たぶん過去に散々語ってます。