愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

『マルドロールの歌』と『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』と知念様

『マルドロールの歌』を読んでいたら、たまたまシャッフルにしていたiPodから『Beat Line』が流れてきたんだけど、この曲の美しさはロートレアモンジャン・ジュネの作品の美しさに通じるものがあるかもしれない。彼らの作品はまったく美しくないものを美しくない言葉で綴っているのに妙に美しい。それは血液や唾液や精液等のあらゆる体液をぶちまけたところに光が反射してキラキラと輝いているような美しさで、目を背けたいのになぜか目が離せず、気付けばうっとりと見惚れている。ジャンプにはバーモンドカレーのCMのように明るい太陽が似合う曲が多いが、『Beat Line』は泥の中に這いつくばってもがいているような曲で、あれほど「down」を連呼しながらも諦めないと歌い踊るジャンプはまるで泥水を全身に浴びてキラキラと輝いているようだ。ロートレアモンやジュネのようにインモラルな美しさはないが、最底辺にいる者が必死にもがくときに生まれる妖しい美しさがこの曲にはある。南アルプスの天然水だろうが、泥水だろうが、光を反射するものはすべて等しく輝くが、逆に言えば光がないと輝けないわけで、『Beat Line』という泥水を輝かせている光はジャンプであり、私にとっては知念様なのである。


とかなんとか知念様が一生手に触れることもないような文学になぞらえて知念様のことを考えていると何とも言えない高揚感を覚えるのだけれど、そうすることによって私は彼らを支配しているつもりになっているのかもしれない。だがしかし、何を読んでも彼らに繋げている時点でむしろ支配されているのは私の方であり、どこまで行っても知念様の愚民でしかありえないのであった。


今日は『キル・ビル2』と『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』を見たんだけど、『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』の主人公のトーマス・ホーンくんの聡明さで透き通るような美しさは全世界のショタ必見。白痴美という言葉があるが、私は聡明さこそ美に繋がると思う。そこに孤独が加わったら少年として完全体になる。そんな完全体が私にとっては16〜17歳の知念様であったのだが、この映画の主人公も知念様に勝るとも劣らない素晴らしい少年だった。実際にクイズ番組に優勝するほどの秀才で、そのクイズ番組を見たプロデューサーにオーディションを受けるようにスカウトされたというんだからすごい。ジャニーズのオーディションを受けに来て、NINNINのオーディションを受けることになった知念様のようだ。


と、今日は知念様のことばかり考えて終わった。しやがれは見忘れた。おわり。