愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

フットサル

知念 ボクはいまでも仲よしだと思ってるよ?だから「圭人、今度フットサルやろうよ!」って声かけたのに、圭人ちっともノってくれなかったじゃん。
圭人 いやいや、知念さん!フツーは誘った人が日程やらメンバーやら仕切るじゃないですか。なのに、オレが「いいね!」って言ったら、「じゃあ、メンバー集めて」って、全部丸投げしてきましたよね?
知念 アハハ!たしかに言った〜。
圭人 で、「じゃあ、オレの友達誘ってみるよ」って言ったら、「知らない人とはムリ」って返してきましたよね。ふたりじゃフットサルできませんよ、って話!あ〜あ、オレの友だちを、知念に紹介したかったな。
(『Duet』2012年12月号)

1年半前のこのKC対談を踏まえて今日の知念様のジャンペーパーを読むと、とてつもなく感慨深い。
かつては圭人とフットサルができなかった知念様が圭人をフットサルに誘うことができるようになりました。圭人は知念様が最近心の扉を開いてくれたと思っているみたいだけれど、知念様はずっと圭人に対して心を開いていました。ただし、表ではなく裏門だったけれど。圭人は良く言えば素直、悪く言えば鈍いので、知念様が心の裏門を開いていることなんてまったく気付いていなかったんだと思います。知念様も気付かれることは期待していなかったんだと思います。でも、期待はしていなかったけど、希望はしていたんだと思います。


上記の対談はこう続きます。

知念 遠慮するよ。だって、もしそれで圭人の友だちとボクが仲よしになっちゃったら、また圭人をさみしがらせちゃうじゃん。
圭人 もうそこまで子どもじゃないって(笑)。
知念 …やっぱ、そういうことだよね。
圭人 へ?どーゆーこと?
知念 圭人は、ボクが離れていったって思ってるけど、そうじゃない。大人になった圭人が、僕から離れていったんだ!
圭人 「!」た、たしかにオレが高校に入ったころから、いっしょにいる時間が減っていった気がする…。なんてこった、オレのせいだったのか…(激しく落ち込む)。
(『Duet』2012年12月号)

知念様は高校生になったあたりから、精神的に引きこもるようになったような気がずっとしていました。知念様は「もしそれで圭人の友だちとボクが仲よしになっちゃったら、また圭人をさみしがらせちゃうじゃん」とおっしゃってますが、本当は逆だったんだと思うんですよね。圭人と少し疎遠になっているところで、圭人が独自に築いた人間関係に触れて、圭人が他の人と仲良くなっているのを見るのが嫌だった気持ちも多少はあったんじゃないでしょうか。知念様がゆとやまの板挟みになっていた(であろう)高校生活を送っていた分、余計に。
色んなものに遠慮して知念様はずっと裏門を開くことしかできなかったけれど、ようやくゆとやまも和解して、知念様は圭人に対して心の扉を全開にすることができるようになって、圭人は「あれ?ここ開いてる。わーい、入ってみよ。そういえばここに来るの久しぶり〜。あ、これ好きだったわ。これも。これも。なんか結構楽しいかも。またちょくちょくここに来るようにしよっと」とばかりにのこのこ入ってくるようになった、というのが最近のKCに対するイメージです。

知念様がかつて苦しんでいたことなんて何も知らないで、いま呑気に知念様と仲良くしている圭人を見ていると多少苛立ちも覚えるのですが、今日のジャンペを見る限り知念様はとっても楽しそうなんですよね。聡すぎる知念様にとっては鈍さも圭人の魅力なんでしょう。別に知念様がいいならいいんだけど、いいんだけど、いいんだけどさ。もしも、知念様が女の子だったらあんまり幸せになれなさそうな気がします。知念様が男の子でよかったな(もやもやしたまま強引に終わる)。