愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

EndlessSHOCK(18時公演)

いきなりカーテンコールの話をします。
カーテンコールの時の生田さんの表情が気になりました。生田さんは基本的には笑っている人です。どんな舞台だろうとカーテンコールの時には満面の笑みを顔中にきらめかせています。ウエストサイドストーリーの時ですら生田さんは笑っていた気がします。けれども今回、生田さんは笑っていませんでした。なんだかひどく真面目な顔で、妙に遠い目をしていました。
SHOCKという舞台は光一さんの光一さんによる光一さんのための舞台です。そんな舞台で自分が我が物顔でにこにこするわけにはいかない、と思ったのかもしれません。生田さんの態度にはそういう大人の遠慮のような気配も感じられました。実際、パンフレットのインタビューでも「光一くんのサポートに徹したい」という旨の発言をしています。生田さんのあの表情は彼が大人になった証拠だったのかもしれません。けれども私は何事も穿って考えてしまうたちなので、ついつい深読みをしてしまうのです。
生田さんは一体どこを見つめていたのでしょうか。思えば生田さんが「ジャニーズ的」なものに出演するのはものすごく久しぶりなことです。「あずみ」にはハセも出演していたし、少年隊の歌を歌ったりしていました。新感線の舞台にはジャニーズの方もよく出演します。けれどもSHOCKほどジャニーズ色に彩られたものに出演する機会はここのところの生田さんにはまったくといっていいほどありませんでした。
たとえば生田さんのあの表情の源にあったのは、久しぶりに「ジャニーズ」というスポットのもとに戻ってきた複雑な感慨だったのかもしれません。生田さんほど正しくジャニーズ的であろうとした人はたぶんこの事務所にほとんどいないのではないかと思います。ジャニーズでありながらジャニーズ的でなくあろうとする人の方がこの事務所には多いような気がするのです(これは悪い意味ではありません。ジャニーズ的でないことを目指すというのはジャニーズを否定することとは違います)。そんな生田さんからジャニーズ的なものを遠ざけた事務所には正直義憤を感じずにはいられなかったのですが、ここにきてジャニーズの集大成ともいえるSHOCKに抜擢されたことに喜びとともに戸惑いを感じるのです。

(つづく)