愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

箱庭は終わらない(PARADEコン感想)

お久しぶりです。去年はもうちょっと更新しようと思っていたのに、年始以降何も書かず、気付けば一年以上経っていました……。色んなコンサートも中止になり、外に行けない鬱憤がたまりまくっている今日この頃ですが、ならばネットの世界でアウトプットしよう!と思い立ち、久しぶりにこの場を開きました。

最近感銘を受けたことといえば、やはり年末年始に催されたジャンプコンですかね!!(い、いつの話をするの……?)
私は知念様の愚民であり、知念様のやられることに対して基本的には絶対肯定主義なのですが、いかんせんジャンプコンに対してはかなり厳しい評価をすることが多いです。アルバムコンサートなのにアルバム曲を半数近く切り捨て、既存曲ばかりの似たようなセトリを組み、一度受けた曲を飽きるまでやる姿勢があまり好きではありませんでした(それはそれでジャンプなりの気遣いっぽいんですが、ちょっと的外れだと思う……)。私自身、愚民全盛期はコンサートをほぼ全ステしていたこともあり、もはや同じコンサートを何十回も見ているような錯覚に陥り、毎回ピーコのファッションチェック以上の辛口トークで偉そうに批評していました。

今回のコンサートも事前にセトリを見ていて、またアルバムを引っ提げていない系コンサートじゃないかと落胆しつつ、これが終わったらしばらく現場もないし、バックのトラジャは楽しみだし(私は最近松松が大好き)、なんといっても知念様がいらっしゃれば世はすべてこともなしだわ!と期待値を極限まで下げて臨んだのですが、良い意味で裏切られました。

私はジャンプは箱庭のようなグループだと思っていました。勇気コンあたりから決まったバックジュニアを付けずジャンプだけでコンサートをするようになり、外部をシャットアウトしたジャンプは内向きの世界で独自の文化を築き、全員仲良しで牧歌的な世界にファンも取り込まれ、時が止まったように同じようなコンサートを繰り返し、それに満足していたような気がします。いわゆるガラパゴス化に近い現象が起こっていて、後輩グループがどんどん出てきても、のほほんとした空気は変わらず、ガラパゴス諸島の生物が外来種に駆逐されてしまうように、ジャンプもどんどん追い抜かされていくのではないかと勝手に心配していました。

しかし、そんなジャンプ島に今回黒船が訪れました。
光一くんです。
光一くんはジャンプの世界観を理解した上で、それを破壊することなく、外部に最適化できるようなコンサートへ導いてくれました。更にTravis Japanという後輩たちも上陸しました。彼らもジャンプに負けず劣らず平和なグループで、ジャンプ島を踏み荒らすことはせず、ジャンプのことをおにーたんと呼び、かわいらしい敬意を払ってくれました(そんな中でげんげんはジャンプメンですら踏み込めないセンシティブな山田くんにがつがつ踏み込んでいましたが、げんげんの天性のコミュ力で絶妙に失礼じゃなかった)。

コンサートのコンセプトをアルバムに沿って決めたうえで、それを最初から最後まで貫き通すというシンプルだけど今まであまりできていなかったことが今回きちんとできていて、骨太な一方でジャンプらしいズッコケ感も多分にあって、全員アラサーなのにぷぅを全面に押し出すのとかどうかと思うけど、コンサートの邪魔をしていないどころか花を添えていて、いつまでもフレッシュかわいいジャンプすごいし、あの茶番に参加してくれる光一くんもすごいし本当にありがたかったし、ホーン〇ッドマンションみたいなセットも素晴らしかったし、その雰囲気を壊さないために開演前のビジョンに何も映していないのも良かったし(これは光一くんのこだわりらしい)、あの超超超超かっこいいムービングステージにのってグルグル回りながら「ミラクルワンダーマジック」歌って登場するジャンプ最高だったし(めちゃくちゃ死角多くて正直言ってあんまり見えなかったけど、巨大なセットの中で宙づりになっているジャンプという図がシュールなのに曲は超絶かっこよくて、なんかすごい興奮した!そのムビステの名前が「JUMPやぐら回転ステージ~You回っちゃいなよ~」という脱力ネームなのもすごく良い)、間に挟まれている和コーナーでフライングする知念様がそれはもうこの世のものとは思えないくらい美しくて、本当にいいもん見たな~~と噛みしめてしまうコンサートでしたし、何よりガラパゴス化していたジャンプという箱庭が外部に染まるのではなく飲み込んでスケールアップしていたのがとても痛快でした(一文くそ長くてすみません)。

ジャンプはもともとデビューが若すぎて、メインバックにつけるようなジュニアが先輩になってしまうという問題もあったと思うので、トラジャに対してお兄ちゃんぶってるジャンプが見られたのも感慨深かったです。山田くんと絡めて幸せそうなしーくんやげんげんを見られたのもよかったし、絡まれて嬉しそうな山田くんもよかったし、知念様と松松(両端にいると門松みたいで縁起が良い)を一緒に見られてありがたかったし、何よりジャンプは変わらないまま素晴らしい進化を遂げてくれて、「君はそのままが一番」というジャンプの原点ともいえる「Hey!Say!」の歌詞をかみしめた令和の年末だったのでした。