愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

吉野朔実と清水玲子

友人に借りた吉野朔実の『少年は荒野をめざす』を夜通し読んでいて思ったのだけれど、吉野朔実清水玲子の「双子」というモティーフの描き方の違いをつきつめて考えたら面白いんじゃないだろうか。吉野朔実は双子を「似て非なるもの」として、清水玲子は双子*1を「非にて似ているもの」として描いているような気がする。……ちょっと分かりにくいな。吉野朔実は双子を「同じだからこそ離れねばならぬもの」として描いているのに対し、清水玲子は双子を「似ているからこそ惹かれた合ったり憎み合ったりもするが、結局離れることは出来ない、というか離れる必要もないもの」という感じで描いていると思う。どっちにしても自分と同じ顔をした人間を愛するってとってもナルシズムに満ちた行為だし、同じ顔をした人間が憎み合うのってとってもエロティックな光景だよなぁ(あくまでフィクションにおける個人的な感想)。うーんまとまらない。
■双子(同じ顔の人間同士)が出てくる漫画
『少年は荒野をめざす』(吉野朔実
『ジュリエットの卵』(吉野朔実
『月の子』(清水玲子
輝夜姫』(清水玲子
トーマの心臓』(萩尾望都
『海の闇月の影』(篠原千絵
YASHA』(吉田秋生
ふしぎ遊戯』(渡瀬悠宇
『ミラクルガールズ』(秋元奈美
絶対もっと色々あると思うんだけど…。下二つは私の言いたいこととなんか違う気がする。そういえば『ミラクルガールズ』のともみとみかげは誕生日が3月24日なんだけど、これはなんと私と同じ誕生日なんですよ!すっげえどうでもいい話でした。

*1:双子というより、三つ子だったり(『月の子』)クローンだったり(『輝夜姫』)するんだけど。