愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

何かが街にやって来る

卒論の1次提出が明日なのに終わる目処がまったく立ってない。こんなん書いてる場合じゃないんだけど…。


諸星大二郎の漫画はそんなに読んでいないけど、この「栞と紙魚子シリーズ」だけは全部持っています。この漫画、なぜか連載が終了したと勝手に思っていたので、先日お台場のビレッジバンガードで表紙をこちらに向けて本棚にずらっと並んいるのを見て、小躍りしつつ購入。タイトルはブラッドベリの小説(isbn:4488612016)からかな?浪花ともあれ、また胃之頭町の世界が味わえる〜。


ホラーというほど恐ろしくもないけれど、ほのぼのというには多少ブラック。読後の印象は最近読んでいる『フランス民話集』(岩波文庫)にちょっと似ている。少し前に「本当は恐ろしいグリム童話」みたいな系統の本が流行ったけれど(ちなみにそういう本の二次資料としての価値はゼロ。でたらめもいいとこらしい)、民話は非常にナチュラルに結構残酷な展開をかましてくる。よく考えると「えっ、それで終わっちゃっていいの?」と思う終わり方が多くて、そういうところがこの漫画にも時々ある。まぁ時々なんですけど。


栞と紙魚子という正反対の女子高生コンビのとぼけた会話も好き。読んでいて妙なノスタルジーを感じるのは諸星大二郎の独特の筆致の効果でしょう。この人の他の漫画も読みたいのだけれど、どれもこれも大判なんだよね。高いし、置く場所もない。こういう漫画こそ文庫にしてほしいわ。ちなみにこの栞と紙魚子シリーズは文庫になってた気がします。ってことは知らないだけで、実は文庫になってたりするのかな。うーん調べてみよう。