愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

Hyper hybrid organizationシリーズ

今日はいま私が激!!!!ハマっている小説のシリーズを紹介しようと思います。
それはこれ!!

Hyper hybrid organization (00-03) (電撃文庫 (1170))

Hyper hybrid organization (00-03) (電撃文庫 (1170))

「萌え0%」という帯が面白すぎなんだけど、「熱き男たちのドラマ!!」という殺し文句に惹かれて買ってみたら、もう大ヒット!!正直電撃文庫の本なんて一生読むことはないと思っていたのだが、食わず嫌いはいけないね。オタクは貪欲に生きねば。もうもう超面白いのっ!つーか萌え0%どころか100%じゃわい!ワトソンくん、人はこれを萌えというんだよ。これに萌えないなんて男の子って可哀相ね(笑)ってくらいかっこいい男だらけで萌え!うひょーーーー楽しいぜ!!


ちょっと内容を説明すると、これは電撃文庫版「仮面ライダー」です。正義の味方だと言われているガーディアン(仮面ライダー)の巻き添えで恋人を殺されてしまった主人公が復讐のため悪の組織ユニコーン(ショッカー)に身を投じるという、アンチ仮面ライダー的な内容ですが、悪の組織も絶対悪というわけではなくなんとも奥深いです。構成も綿密に練られていて危うげがありません。5冊以上出ているシリーズもので、最初の巻と最新巻の間にキャラクターにも設定にもブレがないってすごいことですよ。もう東映仮面ライダーカブトなんてやってないで、これを原作にやればいいと思う。アクションものでありながら戦闘を肯定していないし、男の美学がどっさり詰まっているので高寺Pがものすごく好きそうだ。とりあえず仮面ライダー好きの人にはおすすめ。キャラクターの名前もライダーから取られているようですし、なんと城南大学まで出てきます。


このHyper hybrid organizationシリーズ(HHOとかH2Oみたいに略すらしい)、いまのところ6冊出ています。本編である01シリーズ3冊と外伝である00シリーズ3冊で、外伝は全3巻で完結しています。出版されたのは本シリーズが先なのですが(実際には平行して書かれてたっぽいけど)、個人的には外伝から読むことをおすすめします。外伝は悪の組織ユニコーンの結成秘話なので時系列から言っても外伝が先ですし、本編を読んだ人が「外伝を読みたい!」と思うかは微妙な気がするのだけど、外伝を読んだ人は絶対に「本編読みてぇーーーー!!!」となること間違いないです。それくらい外伝は物語としての吸引力が高い。本編も面白いんだけどね。私は外伝から読んでよかったと思いましたので、とりあえず外伝を!




色々おいしいキャラは多いのですが、私が辛抱たまらんのが高杉一也くんです。インテリヤクザな速水さん(社長と呼ばれているからついつい「真澄さま!」と呼びたくなる)も良いのですが、私は分かりやすい美形キャラが好きなのでやっぱり一也くんで!100人いたら100人全員が「美青年」と言う(実際にこういう表現があった)くらいの美貌を持ち、カンフーの素晴らしい使い手で、ボスである速水さん至上主義という、萌えの曼荼羅のような設定の持ち主です。女性による高杉一也ウェブリングとかないのが不思議なくらい。もし掲載誌がジャンプだったら全国のお姉さま方の愛を独り占めしていたのではないでしょうか。ジャンプじゃなくてよかったね、一也くん…。本編では3巻でやっと登場するのですが、外伝は主に一也か女医の村上先生の視点で物語が進むので、ほぼ主役級の扱いです。この視点の切り替えも至極スムーズで作者の力量が伺えます。
この一也くん、普段はポーカーフェイスを決め込んでいるのですが、速水さんが侮辱されていると怒りを顕わにしてしまったり、二言目には速水さん速水さん言ってて、おばちゃんちょっと心配。「速水の友にはなれないが死ぬことはできる」っておーーい大丈夫かよー。しかも本当は友になりたいみたいだし……泣ける……。なんかこの子は速水さんがうっかり死んだら(ヤクザなのでありえないことではない)、「もうすべきことはない」とあっさり自分も死んじゃいそうで怖い。彼は速水さんのボディーガードだから、速水さんが死ぬ=任務を全うできなかったってことだから、そういう意味でも責任取って死んでしまいそう。速水さん、死ぬ時はちゃんと一也くんに「死ぬな」って遺言を残して下さい。つーか死なないで下さい。ってそもそも別にそんな展開には全然なっとらんのですが。そういう心配を勝手にしたくなる危うさがあるんですよね。使命感が強すぎる余り、自分のことをないがしろにしてしまう男ってもっそいツボ。仮面ライダークウガの一条さんとかきんきのこういちくんとか。幸せになってもらいたい系の人です。
一也くんの過去は結構謎で、外伝当時24歳であること、かつて5年間ほど拳法の道場に預けられていたこと、母親が美しい顔のせいで不幸な死に方をしたこと、本人も母親譲りの顔のせいで色々あったっぽいことくらいしか分かりません。速水さんはこの一也くんのことをものすごく信頼しているのですが、なぜ一也くんがこの世界に身を投じ、速水さんのボディーガードになることになったのか分からないんですよね。中屋敷さんが速水さんのところに来た経緯は語られたのになぜ(私にとって)肝心の一也くんの過去は出ないの?ちらっとでもいいからそのへんのエピソードが出ないかしら。それが気になってHDDレコーダーの整理もできないっつーの。
もし再び外伝が出ることがあればその辺のことも知りたいなぁと思うけど、出るとしたら宮内と藤岡&佐々木あたりの出会いの話になるような気がします。それはそれで読んでみたい。もっとも外伝を書く暇があるなら本編を書いてほしいというのが正直なところですな。年内3冊なんて絶対無理だ!


というわけで、超おすすめなのです。
外伝が00-01・00-02・00-03、本編が01-01・01-02・01-03なのでお間違いなく。
どちらから読んでもいいけれど、外伝はマストリード!!