愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

『悪霊』の人物相関図


『悪霊』の人間関係があまりにごちゃごちゃしていてわけが分からないので人物相関図を作りながら読んでます。しかも一人一人の名前が「ピョートル・ステパノヴィチ・ヴェルホーヴェンスキー(愛称ペトルーシャ)」とかなの!ロシア文学の何が辛いって人の名前が長くてさっぱり覚えられない上に、覚えても愛称になると分からなくなるのが辛い。そのせいでたまに同じ人物も別人物としてカウントしてしまって、私の脳内の人物相関図は不必要に混迷の度合いを深めていくのであった……。どうやらロシア語ってファミリーネームにも男性名詞・女性名詞があるみたいで、レビャートキンの妹はレビャートキナ嬢、ってな具合に同じ家族でも苗字が違ったりするから余計ややこしい。あと父称があるんだっけ。父称って何さ?名前の仕組みの勉強だけでもした方がいいんだろうな。と思ってたら良いサイトがあった。

●ロシア人の名前


ロシアの小説を読んだり映画を見たりすると、登場人物の呼び名について、私たちにはピンとこないことがある。
例えば、「アリェクサーンドル・プーシキン」という人が、「アリェクサーンドル・セルゲーエビッチ」と呼びかけられる。かと思うと、次のシーンでは友人が彼のことを「サーシャ」とか「シューラ」とか呼ぶ。


実はロシア人の名前は、「個人名+父称+姓」から成り立っている。前述の例でいえば、「アリェクサーンドル(個人名)・セルゲーエビッチ(父称)・プーシキン(姓)」となるわけだ。父称は、父親の名前から作る。例えば、セルゲイという名の父親の息子には「ビッチ」を付けて「セルゲーエビッチ」が父称となる。娘の場合なら「ブナ」が付いて「セルゲーエブナ」である。しかしこれはあくまで正式の名前で、戸籍や公式文書で用いる名前である。


日常生活では、相手を「〜さん」と呼ぶ間柄の場合に「個人名+父称」を使う。つまり「アリェクサーンドル・セルゲーエビッチ」とは、日本でいえば「プーシキンさん」という感じになる。


なお、姓にも男性形と女性形があり、例えば同じ家族でも男は「ドストエフスキー」で、女は「ドストエフスカヤ」と名乗る。


ところで、家族やごく親しい友人ならファーストネームで呼びかけるのだが、ロシア人は「サーシャ」や「シューラ」のように愛称を好む。愛称は1人1つとは限らず、同じ人が時と場合によりさまざまなバリエーションで呼びかけられる。それぞれに細かいニュアンスの違いがあり、それを読み解くのもロシア文学の楽しみの1つかもしれない。

なるほどーーー!横山納得。