愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

『未成年』

未成年 上 (岩波文庫 赤 614-6)

未成年 上 (岩波文庫 赤 614-6)

ドストエフスキーはやっぱり最高じゃああああ!!!!とうとうドスト五大長編で唯一読んでいなかった『未成年』にも着手してしまった!この作品を除いて四大長編と言われることもあるからあまり期待していなかったんだけど、なんだよ面白いじゃないか。確かに他の四作品に比べてテンションは低いかもしれないけれど(まだ上巻の半分しか読んでないから、もしかしたらこれから怒涛の演説合戦が始まるのかもしれないが)、主人公のイジけた陰気人間っぷりはむしろ他の作品よりも感情移入しやすい。特に

わたしはそれを承知している。それでわたしは満足だ。

という思想には超同感。そうそう、知っているということを知っているだけで満足なんだ。かつて私が「やっさん天使」と言っていたのはまさにこれなんだよ!私が思ったことがはっきりとした形でドストエフスキーは100年以上も前に書いちゃってるんだぜ。かーーーなんじゃこりゃ。悔しいけどしびれるじゃないか。
それと前々から思っていたんだけど、ドスト氏の金や賭博に対する思想は福本伸行のそれとものすごく似ていると思う。この台詞とか。

金はあらゆる不平等を平等にする。

なんでもいいから福本作品が読みたくなってきた。