愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

「ありがとう」〜世界のどこにいても〜の通常盤に収録されている楽曲について（アイドルファンVer.）

あんまり長いと読む気がしないだろうから短くまとめ……ようと思ったのに全然まとまりませんでした。アイドルファンとしての感想。



「ありがとう」メモ - きみのことを話していたのさ
カイエさんの「ありがとう」一覧すごい！勉強になる！
というわけで、「ありがとう」です。K-POPっぽいという意見をよく見るのですが、私はK-POPはほとんど聴いたことがないし、そもそも音楽はジャニーズとハロプロと岡村靖幸と山口百恵と初期のビートルズ、あと最近は谷山浩子くらいしか聴かないので、音楽性とかジャンルとかそういう専門的なことはまったく分かりません。今日ロッキンオンを買ってきましたが、圭人が何の話をしているのかさっぱり分かりませんでした。だから単なる感覚的な感想です。
JUMP曲の魅力の一つとして、10人という大人数だからこそ実現できる厚みのあるユニゾンを挙げることができると思います。しかもこのグループって個性的な声の人が多いんですよね。特に薮くん、ありたん、いのちゃん、知念様あたりはかなり声の個性が強くて、ユニゾンなのに音程によって一人の声が突出して聞こえることがあるくらいです。
この対極にいるユニットがキスマイだと思います。あのユニットってみんな癖の少ない綺麗な声をしていて（某Y氏を除く）、ユニゾンがとても綺麗なんです。だから、あんなに胡散臭いユニットなのに「Brand New Season」みたいな爽やかな曲もさらっと歌える。私、キスマイ曲大好きなんですよね。あの胡散臭さと爽やかさのギャップがたまらない。たぶんガーヤより「ってゆうか」という単語を使っていると思う。
対して、JUMPのユニゾンははっきり言って綺麗ではないんです。キスマイのユニゾンがつるんと綺麗なボーリングの球だとすると、JUMPのユニゾンはドリアン。表面に凹凸があって、ざらついていて、時に引っかかるんですよね。でも、そのざらつきが妙に耳に残るのも事実で、それがJUMP楽曲の魅力の一端を担っていると思います。

さて、「ありがとう」を聴いてまず思ったのが、今までの曲と比べてすごくザラザラとした耳触りだなぁということで、音が異常に耳の底に残るんです。重低音の利いた音が、JUMPの厚みがあって均一でないユニゾンと意外なくらいよくマッチしている。実は前回のシングル「瞳のスクリーン」には少しがっかりしたんですよね。私は「真夜中のシャドーボーイ」までのシングル曲に溢れている過剰なまでのメッセージ性が好きだったんですが、「瞳のスクリーン」の歌詞にはそういう奥行をまったく感じなかったし、曲も無難な歌謡曲で、人知れず落胆していました。「瞳のスクリーン」の唯一の見どころは山田くんが全身全霊をかけていた「I LOVE YOU」なんですが、CDには収録されていなかったですし。私は、ジャニーズにはドル箱になるまでは色々冒険して欲しいんですよね。良くも悪くも「こうきたか！」とぎゃふんとさせて欲しい。ただ、アイドル曲は視覚的な情報が加わると評価が二転三転してしまうので、結局コンサートで見ているうちに曲自体の評価はうやむやになって、馬鹿な愚民は「知念様かっこいい！！！！！！」とか言えなくなってしまうんですが。あ、PVは文句なしにかっこよかったです。
話を戻しますが、「ありがとう」って結構実験的な曲ですよね。しかもタイアップなし。というか、タイアップがあったらこんな曲歌えないか。「あーJUMPってまだ面白がってもらえているんだ！」と嬉しくなりました。作り手が面白いと思ってくれなきゃおしまいだと思うので、この曲に満ちた実験性には拍手を送りたい。連呼されるあまりもはや意味が煮詰まって無意味の域に達している世界各国の「ありがとう」の洪水、そこにイントロの「We say…」の部分の両手を天に掲げる動きがあいまって、私にはこの曲がバリのケチャのごとき呪術性を帯びたものに思えます。何か召喚できそうな気がする。
曲の感想を一言でいえば、「この曲を踊る知念様、超絶かっこいい！！！！！！」ということです。
以上、私のアイドルファンとしての感想でした。文学スキーとしてはこの曲にもの申したいことが別にあるんですが、とりあえず今は言いません。長くなってしまったので、以下は手短に。

この曲は良いとか悪いじゃない。とにかくコンサートの曲。コンサートの思い出がある人はそれに浸れば良い。ない人はこれから作れば良い。たまに歌詞をふっと耳に入れて「あ、意外と良いこと言ってんだな」と思えばそれで良い。

今回一番楽しみにしていたシャドボコンビの曲。さすがの安心クオリティで、「カップリング用に冬のポップを一つ作って下さい」とゆるーく頼んだら出てきた曲といった感じ。私はma-saya氏作詞の曲にはついつい身構えてしまうのですが、この曲には素直な言葉が並んでいて安心して身を任せられます。A面ではなくカップリングだからこそできる、肩の力の抜けた良質のアイドルポップ。コンサートでは雪が降ってくる演出と共に歌って欲しい曲です。

すみません。私はバラードが全部同じに聴こえるという感受性が乏しいおたくなのです……。「二人掛けの場所」というタイトルがとても素敵だと思いました。