愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

JOHNNYS' 2020 World(12/8・13:00開演・帝国劇場)

退院後初、実に2ヶ月ぶりのジャニ現場でした。帝劇で復活なんてジャニヲタとしてカンペキだぜ〜(BY.河五)。
ジャニワといえば去年から今年にかけてとりつかれたように足を運び、気付けば30回以上行っていた舞台なので思い入れがありまくり、どの場面の何を見ても前回ジャニワのことが走馬灯のように蘇り、見終わった時には「知念様かっこよかった……!!!!」と号泣したい気持ちになりました(注:今年は知念様は出演していません)。


以下、ネタバレありのジャニー(薮プロ)バレ感想です。1回しか見ていないので、内容に誤りがあったらすみません。


全体的にあっさり目の味付けになっていたけれど、衝撃的だったのは今年の薮プロが孤独ではないことだった。去年の薮プロは偏屈な狂気の人で「俺一人でもショーを続ける!!Show must go on!!」なんて言いながら水に飛び込んでいたのに、今年の薮プロは「俺にはこいつらがいる!運動神経抜群、容姿端麗、清廉潔白なABC-Zが!!!!(ここまで褒めてないけど、このくらいの勢いで褒めちぎっていた)」なんて言ってしまうくらい完全にエビジにデレデレ。ジャニーズ伝説をやりきってくれたことにより、ジャニーさんの中でエビジへの信頼と愛が最高潮に高まっているんだろうけど、そこに薮くん自身が持つエビ担気質が混じり合った結果、ちょっとしたエビジ信仰が発現していた。

次にびっくりしたのは2幕でじじいタイムがなくなっていたこと。薮プロもひげをしていなかった。あのじじいタイムはジャニーさんの老いへの恐怖を払拭するためのコーナーだと思っていたので、あれがないということはジャニーさんが自身の老いを受け入れたということなんだろう。
そして、何より驚いたのは薮プロが死を受け入れていたことだ。去年は「人間は死んだらいけないんだ!!」とクレイジーなことを山田くんに言わせて死を拒み続けていたのに、今年はサグラダファミリアをモチーフに「人が死んでも意思は受け継がれていき芸術という形で何百年も残っていく」という演説を戸塚さんにさせ、「俺はブラックホールにいかなければならない」と穏やかに自らの死を受け入れていた。むしろ、勝利くんの方がプロデューサーの死を否定し続け、一緒に舞台を作りたいと訴え続けていていた。それでも最後には自分たちで素晴らしい舞台を作ることを約束し、勝利くんはプロデューサーに別れを告げた。

ABC-Z中心に自らの意思を正しく引き継いでくれる者たちを得て、ジャニーさんが老いも死も受け入れたことがありありと見てとれた。それ故か、舞台自体の狂気の度合いや悲壮感が薄まっていた気がする。


去年の2幕の流れは以下の通りだった。

死にきれなかったヒゲの薮プロが登場し山田くんと対話→山田くんの歌で知念様ソロダンス(なんとなく死出の旅路をいざなうホトトギスのような風情)→だんだん楽しく盛り上がってきて薮くん含めたジャンプ全員集合→「あれ?プロデューサー?」「何言ってんだよ。どっからどう見ても薮ちゃんだろ!!」なぜかヒゲの薮プロは若返り、ジャンプの一員となっていた!!コナンもびっくりだ!!→みんなで宇宙を旅するぜ!!イエーー!!

端的に言えば、薮プロは死ぬのが怖くてジャンプというゆとり集団の中へ現実逃避をし、中二病を極めていくという展開だった。しかし、今年の薮プロは死を受け入れている。


だから。
だから。
今年は「Where my heart belongs」はやらなくてもよかったんじゃ……!?


というのが私の一番言いたいことでした。別に「あの知念様のダンスを五関さんがやるなんて!!ムキーー!!」と怒っているわけではなくて、純粋にやる必要がないと思う。「Where my heart belongs」は孤独に死んでいく老人の曲で、それを美しく孤独に踊る知念様が仲間と合流するということに意味があったのであって、その流れを再現しないのであれば無理にやらなくていいんじゃなかろうか。
そもそも五関さんがダンスの実力を発揮できるのはこういう曲ではないので(どこかでバレエ系は苦手だと言っているのを読んだ気がする)、知念様用に振付をされたのであろうこの曲を五関さんに踊らせるなんて五関さんに失礼だ。文系の人間に理系の問題を解かせるようなものだと思う。五関さんにはもっと別の、力強く死を受け入れるような曲を踊って欲しかった。


コンノ13に笑ったとか、田島くんの大躍進にびっくりしたとか、新藤きゅんが受験のせいかいなくてさみしかったとか他にも色々思うところはあるし、やっぱり座長が8人も一気に抜けると「まだまだそれじゃ足りないとても〜〜」と歌いたくなる場面も多かったけど、何よりこれがないと物足りなかった!

狂ってるって言われたっていいんだ!大事なのは信念だ!