愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

ファウスト〜愛の剣士たち〜(7/6・18:00開演・AiiA Theater Tokyo)

あんまり評判が良くなかったので心配しながら見に行ったけれど、思っていたよりずっと良かった。物語の流れはシンプルでとても分かりやすかったし、「愛」というテーマに真っ向からぶつかっていて好感が持てた。ふみきゅんも五関さんもシーラブと比べると歌がとてもうまくなっていて感動した(あんまり歌わないけど)。ふみきゅんは大分痩せた上にすっきり短髪で、しかも真っ向からイケメンな役なので本当にかっこよかった。ふみきゅんは自分で思っているほど芸人枠じゃないと思う。ちゃんとイケメンだ!ソロだってかっこいい曲やっていいんだよ!どの場面もかっこよかったけれど、部下ができるまでの流れがとてもかっこよかった。絶対に滝様を意識していると思う。そして、なんといっても五関さん。出てきた瞬間はX JAPANに影響された売れないバンドマンみたいでちょっと笑ってしまったが、最終的にはものすごくかっこいいような気がしてきた。五関さんに悪魔の役なんて似合わないわけないだろう。五関さんはとにかく動きが綺麗で、立ちまわりをする時の回し蹴りやふみきゅんを操る時の殺陣の型がとても美しかった。殺陣は河五の二人でやっている時が一番迫力があった。これ、河五コンビが好きな人はたまらないんじゃないかな。普段は気ままな五関さんが、「ファウスト様」と言ってふみきゅんに膝まづいている姿には少しぐっときてしまった。

全体的には楽しく見たけれど、この舞台のファウストゲーテファウストと違いもともとただの卑小な小役人だったわけで、イケメンになっただけで悪魔たちを改心させるほどのカリスマ性を身につけてしまったあたりに、結局イケメンだと人生イージーモードになるんだなと虚しく思ったりもした。それと、あの東京ドーム30ゲート(ちょっとだけふかふか)の座席のような椅子に3時間は辛い。ドストエフスキーは「短いということは芸術の第一条件だ」と言っていたが、もう少し短くしてもよかったと思う。ミュージカルと謳うほど歌っていなかったので、それ全部カットでもよかったんじゃないかなぁ。

でも、ふみきゅんも五関さんもかっこよくて良い舞台でした。