愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

入院6日目〜7日目

昨日は低気圧のせいか一日中だるくて寝ていた。今日は天気が良いから元気。自分が気圧に支配されていることを感じる。

入院すると朝が来るのが待ち遠しい。普段は寝汚い人間なのでいつまででも眠っていられるが、入院していると体のどこかしらが痛くて2・3時間で目覚めてしまう。そして、まだ時間がほとんど経っていないことに落胆する。痛む箇所は傷口のこともあれば、腰や膝の場合もある。管を刺しているせいで寝返りがうてないため、体中がギシギシする。歩き方は段々腰の悪い老婆のようになっていく。なんとなく『罪と罰』の金貸しの老婆のことを思い出す。


6日目の午前中にベッドに寝たままレントゲンを撮る。胸腔の空気を吸引する器械(通称知念様)を導入した効果を見るためだ。移動式のレントゲンは丸みを帯びた白い小さめのショベルカーみたいな感じで、背中にボードを入れて撮影される。膨らんでいることを祈っていたが、結果としては多少マシになった程度で肺は膨らんでいなかった。


ここまで来ると、次に何が待ち受けているか既に分かっている。手術だ。手術をすれば再発率は下がるし、一週間程度で退院できるし、いいことづくめなのだが、手術後に地獄の一夜がやってくる。内視鏡手術といえども切るものは切っているので、ドレーンなんかと比べ物にならないくらい痛い。もう二度と経験したくないと思っていたが、結局こうなってしまった。

私のかかっている病院では、気胸は基本的には内科だが、手術となると外科に移ることになる。レントゲンの結果が出た午後には外科の先生に挨拶された。明日、CTと心エコーと心電図を撮り、早ければ明後日にも手術をするとのことだった(心エコーと心電図は私が心臓にも疾患があるためなので、たぶん普通は受けない)。思ったより手術の日が早かったが、早いに越したことはないので、了承した。


というわけで、明日は手術である。今日は手術に向けた検査がたくさんあって疲れた。けれども、髪は洗ってもらえたし、着替えもできたし、爪も切ったのでスッキリした。明後日の昼までご飯は食べられないので、差し入れのチョコを食べようと思う。


前回も本当はこんな風にウェブ上で日記を書こうかと思っていた。しかし、万が一のことがあって、更新が止まったりしたら後味が悪かろうと思ってやめた。心配しすぎだが、本当にそう思ってしまうくらい心細くて不安だった。
しかし、気胸はめちゃくちゃ痛いし、再発もするが、まず死ぬような病気ではないことが分かったので、今回は書くことにした。戸塚さんだって、気胸になった後も曲芸みたいなことをし続けてるしね。
もし、仮に更新が滞ったら、それは私が怠惰なだけなので気にしないでいただきたい。


それではしばらくごきげんよう