愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

『それでも町は廻っている』

引き続き有給続行中でいい加減仕事の積もる音が聞こえてきそうだけど、そこへ向かおうとする思考を押し流すように本と漫画を読み耽る。

それでも町は廻っている 1 (ヤングキングコミックス)

それでも町は廻っている 1 (ヤングキングコミックス)

それでも町は廻っている 2 (ヤングキングコミックス)

それでも町は廻っている 2 (ヤングキングコミックス)

それでも町は廻っている 3 (ヤングキングコミックス)

それでも町は廻っている 3 (ヤングキングコミックス)

タイトルが「廻ってる」じゃなくて「廻っている」というところに作者の生真面目さがうかがえる作品。『よつばと!』にも通じるところがあるゆる〜い商店街ギャグ漫画なんだけど、ときおりシリアスだったり、ときおり異次元(?)だったりして、なかなか油断ならない。ただ少年ジャンプ系の漫画が突然バトルものになるような唐突さはなくて、漫画自体の温度はあまり変わらないまま展開するからさらーっと読み流せてしまう。「モリアーキー萌え」くらいしか具体的な感想を言えない作品なんだけど、2巻を読んでこの漫画のタイトルにヘブンリ的な意味合い*1も含まれていることに気付いて、作者は生真面目かつ冷静な目をもってこのほの暖かい漫画を描いているのだなぁと妙に関心してしまった。何かを考えながらでも何も考えなくても読める懐の広い作品です。

*1:「そこに僕の姿がなくても世界は簡単にまわった」