愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

大野くんとちねんくん

簡単なアンケートやってます。28日までです。メールアドレスを入れて下さった方には、お礼に私が去年しこしこ作っていた「知念様ウルトラ名言集」を年内くらいをめどに送り付けさせていただきます。ちなみにラジオはやりません……シャイですみません……。よろしくお願い致します。
回答して下さった方、ありがとうございます。かなり楽しく読ませていただいております。仕事の山は未だに越えられていないのですが、回答結果を読んで元気を出しています。知念様ファンじゃない方からの回答もとっても興味深いです。本当にわざわざありがとうございます。
その中で「大野くんと知念様の関係性についてどう思っているか」というご意見をいくつかいただきまして、どうもこうも大野くんについてあんまり考えたことがなかったのですが、ちょうど昨日のラジオで知念様が大野くんの話をしていたし、ちょうど大野くん20代最後の日(書いているうちに26日になった。おめでとうございます!)ということで、ちょっと知念様と大野くんについて考えてみようと思います。




これは2日と18日に書いたことにも通じるんですが、私はそもそも知念様の「好き」をあんまり信じていません。「好き」という感情には何らかの欲望が伴うと思うんですが、知念様の「好き」という言葉にはあまり欲望を感じないんです。欲望というと大層に響きますが、たとえば花が好きな人はその花を「眺めたい」とか「香りを楽しみたい」と思うだろうし、焼き肉が好きな人はお肉を見ると「食べたい」と思うだろうし、私は知念様に対して「見つめていたい」とか「知りたい」と思うし、大なり小なり「好き」という感情には「〜したい」という欲望が伴うと思うんです。「好き」は「欲望の指向性である」と言いきってしまってもよいかもしれません。
だけど、知念様の「好き」に伴う欲望ってものすごく薄い気がするんです。「餃子が好き」と言いますが、ラーメンを食べに行って「餃子頼む?」と言われても「いらない」と答える。かつてはチョコレートが好きだったけれど、それも食べなくなってしまったらしい。知念様の「好き」には欲望が伴わないので、私は知念様の「好き」という言葉に疑心暗鬼なんです。

けれども、大野くんに対する「好き」だけはちょっと異質なんですよね。知念様の大野くんに対する「好き」には、たぶん本人にも制御不能な欲望が詰まっているような気がします。
知念様の大野くんへの想いとして一番印象的だったのは「Dreams come true」発売時のオリスタのインタビューです。歌にちなんで、メンバー一人一人が「夢」について語っているのですが、みんなが「自分がなりたいもの」について語っているのに対して、知念様の夢だけは異彩を放っていました。

「仕事での夢は、大野くんと仕事がしたいです!どんな仕事でも良いんですけど、とにかく一緒に仕事ができれば良いです!!仕事以外では……ん〜〜、何だろ?大野くんと仕事がしたいって夢以外はあんまり浮かばないですね(笑)」


(『oricon style』2008/6/2号)


なんでもいいから、大野くんとしたいと述べまくる知念様。知念様の普段は薄い欲望がなぜかフルスロットルで発動するのが大野くんなんですよね。なんで知念様がここまで大野くんにハマってしまったのかは想像するしかできないんですが、きっと3歳からダンスを習っていた知念様にとって大野くんのダンスは衝撃的だったんでしょう。ダンスなんてさっぱり分からない私ですら、大野くんの「TOP SECRET」を生で見た時は「この人すげぇ!!」と思いましたもん。知念少年の「大野くんみたいに踊りたい」というささやかな願望は、自身がジャニーズ事務所に所属することになったことからどんどん四方に膨らんでいき、「とにかく一緒に仕事ができれば良いです!!」という漠然とどでかい夢になってしまったんじゃないかと思うんです。ここまで来ると、ひよこが最初に見た動くものを親だと思い込んでしまうインプリンティングに近い気がします。

大野くんに対峙している時の知念様のかわいさはきっかり100%です。アイドル時の知念様はかわいさ120%、自分のかわいさを過剰に演出して若干パロディ化しつつもかわいさを演じきっています。素の知念様はとてもかわいらしい人なのですが、自己演出をしていないという意味では0%です。だけど、大野くんといる時の知念様は「かわいさ100%」なんです。「かわいいね」と言われたら、いつもの不遜な「うん、知ってる」ではなく、「そんなことないです」とはにかめるいじらしさを持ったかわいさ。普段の過剰防衛を思わせるかわいさでもなく、素のときの田舎そばのような素朴なかわいさでもなく、小さなフランス菓子のような品の良い絶妙なバランスのかわいさを大野くんに対してだけは出すんです。


大野くんが素晴らしいのは、知念様の本気のかわいさに大野くん自身がほとんどなびいていない(ように見える)ところです。たぶん知念様がどんなに本気で追いすがってかわいさを振りまいても、大野くんが知念様に振り向くことってないと思うんですよね(何をもって「振り向く」と判断するのか、自分で書いていてもよく分からないのですが)。だから、知念様は安心して大野くんに対して全力で「好き」でいられるんでしょうし、欲望を全力でぶつけられるんだと思うんです。
だから、知念様のためにもこれからも大野くんには知念様に対して飄々と対応していただきたいです。大野くんが振り向かない限り、知念様の浅い欲望の泉は尽きることはないと思うし、知念様自身も本当は心のどこかでそれを望んでいるような気がします。