愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

異邦人

該当日にゆうとりんのお誕生日エントリ書いた。


8月10日はあまりに暑かったので、福岡に行く飛行機の中で『異邦人』を読んでいたんだけど、養老院で死んだママンの話から始まるこの小説は、およそゆうとりんハタチというめでたい日に似合わないと思った。主人公のムルソーは全然ゆうとりんに似ていない。今日と明日にしか興味がないムルソーは、どちらかといえば圭人に似ているかもしれない。

本を読むタイミングには運命が宿ると思っている。『異邦人』の内容なんてほとんど忘れていたけれど、この日無性に読みたくなった。多くの人々が見守る法廷に立って、流されるように罪を裁かれるムルソーの物語を読んで、コンサートが少し怖くなった。だけど、福岡の公演を見終えて圭人はやっぱりムルソーには似ていないと思ってほっとした。

だけど、ムルソーが最期の日に憎悪の叫びに迎えられることを望んだ気持ちもなんとなく分かった気がした。正反対だからこそ。