愚民159

人はただ十二三より十五六さかり過ぐれば花に山風

知念侑李さん、20歳おめでとうございます。

とうとうこの日が来てしまいました。知念様が20歳になった直後、この歌を聴いて「あなたはひとりで生きられるんですね、知念様……!!」と泣きながらお酒を飲んでいました。もしよかったら聴きながら読んで下さい。



というわけで、知念様がとうとうハタチになってしまいました。今月は色んなエントリで自分のことを散々ショタコンショタコン言ってましたけど、実は19歳なんてショタからしてみたら初老ぐらいの年齢なんですよね。私が知念様の加齢に対して一番抵抗していたのは16歳から17歳になる時で、そこで一旦砂時計の砂は全部落ちていたような気がします。確かに知念様はショタとしての才能もふんだんにお持ちだったんですが、そこまでショタとして好きだったわけではなく、そういう意味で心底焦がれたのは11歳の山田くんと16歳の戸塚さんでした。


私が一番好きな文章は正岡子規の「宇宙はわれにあり」です。

宇宙はわれにあり。方丈の中に八万四千の大衆を容れて息の出来ぬほどに窮屈にもあらず。まだ八万由旬の蓮台も仏もはひるべき余地あり。さりとて入れ物が大きくなりたるにはあらではひる物が小さくなりたらんかし。一たびわが頭脳中に縮めたる宇宙を頭脳の外に投げ出せば宇宙は再び無量際にはまでひろがりぬ。さてやわが頭脳を取りてこの宇宙に置けばこれはまた頭脳の小ささよ。おもしろきものは相対なり煩悩なり、つまらぬものは絶対なり悟りなり。
正岡子規『松蘿玉液』)

なんで私はこんなにも知念様を好きになったんだろうと良く考えるんですが、知念様がこの文章の中の「宇宙」みたいな人だからなのかもしれません。知念様自身はとても小さいですがその中には無限の宇宙が広がっていて、知念様の宇宙と私のいる地球の間にはいつでも綺麗なオーロラがかかっているような気がします。オーロラは複雑な色合いをしていて、ある時は力強く、ある時は繊細に、ある時は傲岸そうに、ある時は優しく光を放っています。
そんな宇宙のような知念様だけど、見た目はやっぱり小さくて儚げで、でも脱いだらすごいガチムチで、そのあらゆるギャップがたまらなくて、「おもしろきものは相対なり煩悩なり」という言葉が知念様にとても似合う気がするんです。ショタ的な意味ではなく、知念様の魅力はその小ささにあると思います。あの小さい体に無限の宇宙が詰まっているからこそ魅力的なんです。


知念様って、本当は大きくなりたい人だったんですよね。それは「おおきくな〜れ☆ボク!!」なんて曲を作詞して歌っていたことからも分かりますし、コンドルとかサグラダファミリアが見たいというのも大きいものへの憧憬があったからなんじゃないかと思ってます。だけど、「小さくてかわいい」というのが自分の売りだというのも分かっていたので、理想と現実の間でゆらぐこともあったことでしょう。
2008年12月7日のジャンペーパーで知念様はこうおっしゃっていました。

成長してもいつまでも可愛い知念のままだよ(笑)

これって知念様の中では「小さい=かわいい」となっているからこそ出た言葉だと思うんですよね。自分の魅力である「かわいさ」を保てるから自分の小ささを受け入れているだけで、この頃の本当は大きくなりたかったんだと思います。
けれども、先日更新したジャンペではこうおっしゃってました。

知念は一生159センチです
小さいのが知念です!
見た目はもうこのままでがんばります
だけど中身はこれからどんどん成長します

これを読んで、知念様の中で「小ささ」と「かわいさ」がきっちり切り離されたことを感じました。「かわいいから小さくてもいいか」ではなく、正面から「小さい自分」を受け入れているのがすごく良いと思いました。本当に色んな葛藤をすべて乗り越えて、成長してここまで来たんだなぁとしみじみ思いました。

本当は知念様には亮ちゃんみたいに「小さい時は天使、大きくなったらタラシ」みたいな成長をして欲しかった時期もあったんですけど、今は知念様が小さくてよかったと思います。今後ドラマ等で不利な場面も出てきてしまうかもしれないけれど、小さいからこそ相対的に知念様の宇宙の広さを感じることができるんです。


何度考えても、私は知念様が15歳で「おおきくな〜れ☆ボク!!」を歌った時に好きになるしかなかったと思いますし、そのおかげで知念様が人生でもっとも美しかった季節をすべて見ることができたと思っています。もちろん今でも知念様は美しいんですが、若さというものにはもうそれだけで価値があるということを、幼いことが売りだった知念様は身をもってご存じでしょう。
大きくなりたいという野望を高らかに歌いあげる知念様を好きになったけれど、大きくならなかった自分を受け入れた今の知念様も大好きです。これからも小さくて世界一かっこいい知念様でいてください。
知念様の20代が幸せで実り多いものになるように心の底から祈っています。
知念侑李さん、20歳、本当におめでとうございます。


ちなみに知念様の魅力をオーロラと例えましたけど、オーロラという名前はギリシア神話の女神エオス(アウローラ)から取られています。エオスについては、かのショタ的名作『ヴェニスに死す』にて次のように語られています。

あの女神は近づく。クライトスとケファロスを強奪し、オリンポスのあらゆる神々のねたみに反抗しつつ、美しいオリオンの寵愛をうけている、あの少年ゆうかいを事とする女神である。

そう、オーロラとはショタコンで有名な女神のことだったんですね!朝、めざましどようびで20歳を祝われている知念様を見ましたが、はにかんだ笑顔にはショタ的な魅力もまだ存分に溢れていて、本当に素晴らしく尊いお方だと改めて確信しました!小さいは正義!
というわけで、ショタ的な意味も含めてこれからも知念様のことを追いかけていきたいと思います。かもめは翔んでいってしまったけれど、私はそもそも翔んでいるものを見上げることが好きなのでした。